山崎隆之八段"ワールド"全開で個人3連勝!仲間も「一生分かり合えない」「魔法を見ているみたい」と呆然/将棋・ABEMAトーナメント
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  自由奔放な世界観は、敵チームも仲間をも呆然とさせた。プロ将棋界唯一の団体戦「第5回ABEMAトーナメント」予選Cリーグ第2試合、チーム広瀬とチーム山崎の対戦が6月4日に放送された。今期初めてリーダーとなった山崎隆之八段(41)は個人で3戦全勝。チームとしては敗れたものの、その存在感とインパクトを存分に示した。定跡にとらわれない予測不可能は指し回しには、仲間からも「一生分かり合えない」「魔法を見ているみたい」と声が上がっていた。

【動画】山崎隆之八段ワールドに仲間は「ぐええ!?」

 山崎八段は1998年4月に四段プロデビュー。2009年王座戦挑戦のほか、タイトル戦昇格前の第1期叡王戦優勝、NHK杯戦、日本シリーズなど一般棋戦で8回優勝を飾っている。独創的で自由な指し回しに加えて、表情豊かでユーモア精神に富んでおり多くのファンを魅了している。今期は初めてリーダーとしての出場となり、同世代の松尾歩八段(42)と阿久津主税八段(39)とチームを組んだ。それぞれが厄年にかかっていることから、勝星を挙げて厄を落とすことを目標に掲げてチーム名称は「厄払い」に決めた。

 自由すぎる山崎ワールドを展開した。1度目の登板では早速リーダー対決に。広瀬章人八段(35)に完勝すると、解説を務めた杉本和陽五段(30)は「修行時代に山崎先生の将棋は真似するなと師匠から言われた」と故・米長邦雄永世棋聖とのエピソードを用いてその独特さを表現した。2戦目は青嶋未来六段(27)と対戦。ここまで予選5試合で個人全勝を飾っている絶好調の若手に完封勝ち。青嶋六段の得意戦法の振り飛車穴熊封じ作戦からリードを拡大し、粘るスキも与えなかった。

 圧巻は3勝目。第7局の三枚堂達也七段(28)戦は、青嶋六段戦からの連投となった。山崎八段の先手番で、戦型は得意の「相掛かり」に。ここでも変幻自在の山崎流を炸裂させ、三枚堂七段の大駒を巧みに封じ込めて盤面を支配していく。異次元の感覚に、控室のチームメイトからは「一生分かり合えないな…」と苦笑いが漏れた。さらに、“桂馬の貴公子”の異名を持つ三枚堂七段に対して、▲7七桂と目の覚めるような一手を放ちリードを拡大。飛車と角を自在に操って投了に追い込み、阿久津八段は「魔法を見ているみたい」と目を白黒させていた。

 チームは敗れたものの、これぞリーダーという貫禄を示し、自身も「自分でもビックリ」という3連勝。ファンからは「みんなにもっと見たいと思わせる将棋、すごいなあ」「かっこよすぎる」「仲間もドン引きさせる強さw」「敵味方どっちも???って顔してるw」「魔法使いやまちゃん」「自分でもびっくりしちゃうやまちゃんかわいすぎ」と大量のコメントが寄せられていた。

 ◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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【動画】激戦を振り返るチーム広瀬とチーム山崎
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初リーダー山崎隆之八段、オーダー決めでも自由奔放 仲間の“逆襲”に「え?え!?」と混乱のドタバタ劇/将棋・ABEMAトーナメント