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 DDTプロレスリング、プロレスリング・ノア東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレスのサイバーファイトに所属する4団体が集結する『サイバーファイトフェスティバル2022』は6月12日、さいたまスーパーアリーナで開催されるが、そのセミファイナルに据えられたのは東京女子。王者・中島翔子に坂崎ユカが挑戦するプリンセス・オブ・プリンセス選手権試合だ。3月19日の東京女子・両国国技館初進出で山下実優を撃破し、第10代王者になった中島に今大会への意気込み、東京女子への思い入れを聞いた。(聞き手/小佐野景浩)

― 3・19両国で山下実優に勝ってプリンセス・オブ・プリンセス王者になりましたが、頂点に立って思うところはありますか?

中島 山下もそうですし、CFフェスで試合する坂崎ユカも、海外でも活躍して国内外のいろんなところで注目される選手じゃないですか。その2人は一段上の方で引っ張ってくれているなと感じるので、私も試合をしていく中で団体を引っ張れる存在に成長していきたいと思いましたね。

― 海外と言えば、中島選手も4月23日のプロレスリングEVEのロンドン大会で大人気でしたよね。

中島 あれはメチャクチャ手応えがあって、声を出せるお客さんの前で試合ができたので、よりダイレクトに自分の持っているものが受け入れられたのを凄く感じましたし、私が外に飛んだ時に大EVEコールが起きて、気持ちよかったです(笑)。試合したアレックス・ウインザーにも「いろんな試合をしてきたけど、今日は特別な夜だった」みたいな感じで言ってもらえたりとかして、東京女子を出ても自分の力が通用するというか、勝負できることを確信できた一戦ですね。

― 山下選手同様、今回の坂崎選手も中島選手にとってドラマのある相手ですね。中島選手は元お笑い芸人、坂崎選手はお笑い芸人を目指し、その後は音楽、アイドル、プロレスを融合させたDPGというユニットにいて、その時代に知り合っているんですよね。

中島 元々、コメディアンじゃないですけど、同じ感じの表現者としてやってきていたので。初めてお喋りしたのはDDTの両国国技館2DAYSの2日目(2013年8月18日)に物販が終わった後の撤収の最中で、リカ(辰巳リカ)も一緒でした。プロレスに絡めた音楽グループ(DPG)と旗揚げ前の女子の団体(東京女子)が同じDDTの傘下でやっているわけじゃないですか。だから近しいところにいると思っていたので、そのうちこっちに来るだろうなって思いました。一緒に練習するようになってからは、音楽のパフォーマンスをしている時は凄く明るいコだったんですけど、いざ練習が始まるとメチャクチャ真面目なところがちょっと意外だなと思いましたね(笑)。

― 2人は闘うコメディアンズとして前説をやっていた時代があるんですね。

中島 今は結構プロレスが好きな方が多いと思うんですけど、当時はアイドルさんがハーフタイムでパフォーマンスをしてくださったりとかしてたので、そっちの界隈のプロレスを観たことがない方とかも観にきてくれてたりして、友達に「プロレスってルールがわからない」って言われたことがあって、そこを噛み砕いて最初に説明できれば、初めて観る方でもスッと入ってこれて楽しめるのかなと思って。言い出したのは私で、きっかけはよく憶えてないんですけど、何となく坂崎と2人でやるようになった感じですかね。

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― 2人の対戦ですが、15年2・28新宿FACE、16年7・23横浜ラジアントのプリンセスカップ2回戦で中島選手がまず連勝していますね。2戦目は21分6秒の長期戦でした。

中島 初めての対戦では、当時の坂崎はポッケの中にクラッカーを忍ばせていたりとか、ちょっとずつ武器を隠し持っていて、飛び道具が出てくるような選手だったんですけど、その時は真剣勝負ができたなっていう…特別な試合でしたね。2戦目は「凄く粘られたな」っていう気持ちと、当時の自分の中では最高に燃焼した試合だったと思います。

― 戦う一方では坂崎選手とのみらクりあんずで19年10月に初代プリンセス・タッグ王者になっています。

中島 タッグ戦線は2人で引っ張ってきたという気持ちはあります。ただ最終的にはタッグパートナーよりもライバルっていうのが我々は強くて、一番に来るのは「負けたくない!」だったと思いますね。

― 最後のシングル対決はDDTの19年11・3両国で、坂崎に初黒星、そしてプリンセス王座を奪取されました。

中島 そこも私の中ではひとつの節目で、今も昔も両国は特別な場所ですし、その時点で「一番出し尽くした」という印象があって、次にステップアップするためのきっかけとしてベルトを奪われたのかなと思っています。

― そして、いよいよ大勝負を迎えます。今回の坂崎選手とのタイトルマッチはCFフェスのセミファイナルですが、思うところは?

中島 私は、試合順は気にしていなくて、東京女子にとってはベルトを賭けた一番大事な試合ですし、どの順番でも我々は各々自分の試合がメインだと思って臨むと思いますし、対戦相手は潮崎さんでも小島さんでもないので、私が意識するのは目の前にいる相手に勝つことだけだと思います。

― 目の前にいる相手・坂崎選手をどう見ていますか?

中島 坂崎ユカは何でもできるんですよね。死角なしですよ。だから真正面からぶつかっていく地の強さがないと、吞まれちゃうと思います。でも私にひとつだけ坂崎より優れているところがあるとしたら、ひとつの武器を何回もブラッシュアップしていけてることだと思うんですよね。私はその時々にやった技がどうすればより良くなるのかっていうのに結構こだわっているので、その積み重ねの練習の回数は、1コだけ優っているところだと思うんです。だから私にできることは、身に付いているものをブラッシュアップしていくことだと思います。坂崎はアメリカで日本ではできない経験をいっぱいしてきて、精神面でもそうですし、技術面でもレベルアップしてると思うんですね。で、私もそれに触発されて、今まで以上に工夫して練習をしてきましたから、お互いに最高の状態でぶつかれるのが凄く楽しみです。東京女子をずっと応援してくださっている方に誇らしいと思っていただけるような最高の試合になると私は確信してます。

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