将棋の羽生善治九段(51)が6月16日に行われた順位戦B級1組1回戦で、山崎隆之八段(41)に82手で勝利し、史上初となる通算1500勝の大記録を達成した。七冠独占、永世七冠、タイトル通算99期、将棋界初の国民栄誉賞など、数々の偉業を成し遂げてきた羽生九段だが、1500勝もまた前人未到の数字。終局後の会見では落ち着いた様子でこれまでの棋士人生を振り返り、今後についても語っていたが、ファンの視線はにこやかな笑顔やネクタイの柄に集中。大記録の後の記者会見とは思えないほど、ファンから「かわいい」という声が殺到した。
【動画】羽生善治九段、通算1500勝を手繰り寄せた決断の一手
史上3人目の中学生棋士として1985年12月に四段昇段、そこから36年5カ月で1500勝まで白星を積み上げた羽生九段。今なお通算勝率で7割近い数字を残しており、各棋戦のトップリーグで戦い、あと1期と迫っているタイトル通算100期を視野に入れながら、将棋の真理を追求している。レジェンド中のレジェンドで、現役棋士の多くが羽生九段の将棋を見て育ったといっても過言ではないほどで、若手からすれば恐れ多い存在でもあるが、盤を離れたところでひりつくような雰囲気を漂わせないのが、羽生九段の大きな魅力の一つだ。
大記録達成の感想をメディア各社から次々と質問され、1つ1つ丁寧に答えた会見だったが、ファンの目に飛び込んだのがネクタイだ。よく見ればヘビもしくは名前にかけたのかハブのような刺繍が施されている。これは対局時やイベントなどで時折締めているものだが、記念すべき1500勝のタイミングとあって注目度が上昇。「ハブのネクタイ 勝負ネクタイ!」「羽生先生のネクタイがハブ柄ってこマ?」「ネクタイ ハブ柄やで」と、話題沸騰となった。
さらにファンが盛り上がったのが、会見を終えた後の記念撮影だ。大量のフラッシュの中、笑顔で対応していたが、その後にテレビ各社へ向けてのポーズをする際、あるところからの要望で「1500勝」をイメージさせるように右手で1、左手で5を作ることになった。この予想外のオーダーにも、嫌な顔一つせず、ただ若干照れも見せながら応じると、この笑顔がまた大反響。「かわいいw」「羽生さん、本当に良い人だ」「アイドルやん」「笑顔にも気軽に応じる羽生さんw」「サービス精神が素晴らしい」「やっぱりイケメンだな」といった声が次々に寄せられた。
会見では、この大台も通過点とし、まだまだ将棋の道を突き進む意気込みを語った羽生九段。真剣に盤をにらみ、対局が終わった後に見せる柔らかに微笑む。このギャップが、まだまだファンの心を掴んで離さない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)