水泳の世界選手権(ブタペスト)2日目が6月19日に行われ、男子50メートルバタフライでは、東京オリンピックで5つの金メダルを獲得したドレセルが、22秒57のタイムで優勝、早くも今大会2つ目の金メダルを手にした。激しいレースで、最終盤まで誰が勝ってもおかしくない展開だったが、ドレセルを追い込む2位に入ったのはブラジルのベテラン・サントス。競泳選手とは異例とも言える42歳という年齢を感じさせない力泳に、オリンピック3大会連続でメダルを獲得した松田丈志氏が思わず「うおほー。サントス着たー。くー」と叫びまくった。
松田氏はバタフライを得意とした元選手で、中でも200メートルバタフライでは、2008年の北京、2012年のロンドンと、2大会連続でオリンピック銅メダリストに。この他にも2012年のロンドンでは男子400メートル・メドレーリレーで銀メダル、2016年のリオデジャネイロでは、男子800メートルフリーリレーでも銅メダルを手にしている。
現在37歳の松田氏にとって、最強スイマーと言えば現在36歳で「水の怪物」の異名を取ったフェルプスだが、現役最強のドレセルは一回り下の25歳。このドレセルに向かっていったのが、自分よりも5歳上、42歳のサントスだったからついつい気持ちも入るというものだ。
サントスは今年4月に22秒73という同種目の国内新記録を打ち立て、水泳界でも大きな話題となった選手。日本記録は川本武史が持つ23秒17であることw考えても、40代に入っても驚異的な競技能力を維持していると言える。
注目のレースでは、スタートからサントスが抜群のスタート切り、ドレセルは中盤から伸びていく展開に。5レーンのドレセルがライバルたちと接戦を繰り広げる中、8レーンのサントスも食らいついて最終盤に。ゴール直前ではタッチの勝負にもなったが、ドレセルが勝負強さと技術の高さを見せてトップでゴール。サントスが続いて2位に入った。
トップスイマーの強さと、ベテランの底力を見た松田氏だが優勝したドレセルよりも、思いはサントスの方へ。「サントスもすごい。(スタートも)いつもの飛距離が決勝で出ましたね。うおほー。いやはっはっは、サントス来たー。くー」と叫び、感情移入していた。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)