将棋の藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、19)は6月22日、佐藤康光九段(52)と順位戦A級1回戦の対局を行っている。本局は、東京・大阪に続く新たな公式戦対局場となる「名古屋将棋対局場」のこけら落とし対局としても注目を集めている。隣ではB級2組の対局が行われており、藤井竜王と師匠の杉本昌隆八段(53)が同じアングルに映り込んだ映像が放送されると、ABEMAの視聴者から「いいアングル」「記念になるね」「スクショした」といったコメントが多数寄せられた。
名古屋将棋対局場は、トヨタ自動車株式会社の全面協力のもとで開設された東京・大阪に続く第3の常設対局場だ。より一層の将棋文化の普及、中部・東海地域の活性化、東西棋士の交流深化を目的に名古屋駅前のミッドランドスクエア25階に新設された。盤面を映す天井カメラに畳の縁が映り込まないように3種類85枚の特注の畳を複雑に組み合わせるなど、対局に特化した特別な空間となっている。また、対局場を取り囲むように大きな窓が配置されており眼下には名古屋城も望むことができる。
この日のこけら落とし対局では、A級の藤井竜王対佐藤九段戦のほか、B級2組の杉本八段対佐々木慎七段(42)戦も行われている。藤井竜王の大師匠でもある故・板谷進九段が描いた「東海にタイトルを、将棋会館を」の夢を実現したとあり、藤井竜王にとっても杉本八段にとっても思い入れの強い日を迎えた。対局前には開場セレモニーのテープカットが行われ、藤井竜王は「このたび名古屋将棋対局場が開設されることをとても嬉しく思います。ご協力、ご尽力くださいました方々に感謝申し上げます。このことを契機として、東海地方の将棋界がさらに発展していくことを願っています」。杉本八段も「生まれ育った名古屋の地での公式戦を心より嬉しく思います。良い将棋をお見せできるよう、全力で指します」とコメントを寄せていた。
対局とともに注目を集めている「将棋めし」は、当面の間将棋連盟が用意する弁当3種の中から選ぶことになっている。藤井竜王は「油淋鶏弁当」、佐藤九段は「大海老フライのごきげん弁当」を選び、残る一種は「西京焼き弁当」が用意されていた。ABEMAの中継に出演した佐藤和俊七段(44)も今後この名古屋将棋対局場での対局が予定されているといい、「事前の案内では、同じ階に飲み物の自動販売機は無いと聞いている。連盟の職員さんにおつかいは頼めるようです」と話した。
中継では、藤井竜王と杉本八段を同じアングルに収めた映像も放送された。わずか数秒の映像だったが師弟がそろって対局に臨む様子に、ファンからは「これは記念になるね」「スクショした」「板谷一門の夢がまた一つ叶いましたね」と多数のコメントが寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)