大谷翔平の打席で話題「AI球審」の導入はありえるか 投手レベル向上で難易度も上がるストライク・ボールの判定
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 エンゼルス大谷翔平投手の打席を巡り、球審のストライク・ボールに関する話題が盛り上がっている。問題となったシーンは6月22日(日本時間23日)に行われたロイヤルズ戦の7回に迎えた第4打席。フルカウントから内角のボールゾーンに投げ込まれた85.1マイル(137キロ)の抜け気味のスライダーをストライクと判定され、大谷は思わず何度も手を振り、ボールだとジェスチャーした。打者と球審の間でストライク・ボールを巡るやり取りは決して珍しいことではないが、日米の野球ファンも大注目となっている大谷の打席だったことで、この“誤審”に対する反応は単なるクレームだけでなく、度々話題となる「AI球審」の導入を求める声へとつながっている。

【動画】大谷翔平が「No!」と大声で連呼したシーン

 この試合、大谷は先発投手としても登板していた。初回からストライクゾーンぎりぎりを突くコントロールで三振の山を築き、終わってみれば今季最長の8回、最多の108球を投げて無失点、自己最多の13奪三振と圧巻の奪三振ショーで6勝目。モラレス球審にも、投手・大谷が投じたボールに対して大きなミスジャッジもなく、関係としては“良好”だった。

 ただ、打者・大谷としては、先述の判定については、さすがに辛抱できなかった。時折、球審の際どい判定に対して首を振ったり、天を見上げたりというのは、大谷がよく見せるジェスチャーだが、ファンの間でも球審に対しての印象がよくないという声も、毎回出てくる。本人も意識してか、最近では苦笑いしたり、表情から見てわかるほど我慢したりと、メンタルを保っていた。ましてや投打二刀流の出場では、打者としてクレームを入れては、投手としての自分にデメリットが生じる可能性もある。そんなことは百も承知ではあるが、自分から遠い外角ではなく内角だったこと、球種がスライダーで打者の内側から入るフロントドアなのに曲がり切らずベースをかすめていないとはっきりわかったことなどから、この時ばかりは我慢の限界だった。中継のマイクにも、ストライクコールを受けた瞬間「No!No!No!No!」と連呼する声がはっきりと拾われていた。

 球審の判定をまとめているTwitterの人気アカウントに「Umpire Scorecards(アンパイア・スコアカード)」がある。毎試合、球審が正しくジャッジをできているかをパーセンテージで紹介している。モラレス球審は94%も正しくジャッジしたという一方で、誤ったジャッジのワースト3の1位が大谷の第4打席のものだった。ただ逆に3位には投手の大谷が8回に投じたボールがストライクとコールされ、得をしていたことも記されている。大谷が投げたこの試合の最速は99.9マイル(160.8キロ)。スライダー、スプリット、カーブ、カットボールと各種変化球のキレも抜群で、コーナーぎりぎりを攻めていたことを考えれば、94%の正答率は十二分なのかもしれない。それだけMLBの各投手のレベルは上がり、比例して球審のジャッジの難易度も上がっている。

 球審のストライク・ボールの判定については、日米のプロ野球、どちらでも毎回、揉め事の種になっているのは事実だ。アウト・セーフなどのプレーに対してMLBはチャレンジ、NPBではリクエストという名称でプレーを検証し、ビデオカメラの映像を確認した上で、判定が覆ることがある。ただし球審によるストライク・ボールには、この権利がない。両チーム合わせて300球近く投げ合う中、都度確認をしていては試合の進行がままならない、という事情もあるだろう。だが、選手や監督がクレームを入れて退場になるケースも多い。ファンからストライクゾーンを通過したかどうかを判断する「AI球審」の導入を希望する声が出るのも自然の流れだ。

 日米の野球中継で、ストライクゾーンの表示がされたのは最近のことではない。近年ではMLBの中継であれば、球速とともにゾーンにどれくらいボールが触れたかを1秒に達するかどうかで表示できるほど機能的に優れたものが出ている。だとすれば、何かしらの方法で球審にストライク、ボールのどちらかだったかを伝えられる方法ができれば、AIを導入せずとも、問題はクリアできそうだ。今季からMLBではサイン盗みの対策として、バッテリーが電子機器を使ってサイン交換することが可能になった。捕手は手首などにつけた端末をボタン操作し、投手は帽子の中にある骨伝導型の受信機で受け取る。これを応用すれば、球審に対して機械によるストライク・ボールの判定を伝えることもできそうだ。MLBでは各種ルールの変更が、試合のテンポを上げるために行われると言われている。当然、打者が球審に抗議すれば、その分試合時間は長くなる。微妙なコースにボールが投げ込まれた際、1秒待って球審がコールするだけで、その問題が解消されるなら、悪いことはなさそうだ。
ABEMA『SPORTSチャンネル』)

【動画】大谷翔平が「No!」と大声で連呼したシーン
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