少子高齢化が進む中、高齢者層の利益が優先され、若年層の負担が増加の一途を辿り、さらなる少子高齢化へ…という“スパイラル”は年々深刻化している。
関東学院大学の島澤諭教授の試算によれば、団塊の世代に比べ、その孫に当たる18歳世代では実に4000万円ほど“損”をしているという。
「世代会計という手法を用いて計算したものだが、所得税・消費税といった税負担、あるいは年金・医療介護の社会保険料負担から、年金・医療介護児童手当といった助成金・給付を差し引いた、一生分の政府と国民の間のサービスの受け渡しだ。これが高齢の世代では受け取りが多く、若い世代では支払いが超過している。なぜこうなっているかといえば、昔は経済成長できていたので、このような構造があったとしてもより若い人は稼ぐことができ、受け取りもできていたので問題にはならなかった。しかしこの構造が維持されたまま経済が成長しない、あるいは人口が増えないということが背景にある」。