職場は「実家」? “里帰りテレワーク”制度で帰省しながら勤務可能に 働き方の選択肢広がる
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 テレワークを活用したさまざまな働き方が広がる中、実家に帰省しながら働ける里帰りテレワークを推奨する企業がある。その狙いはどこにあるのだろうか。

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 ニュース番組『ABEMAヒルズ』がリモート取材をしたのは、セキュリティシステムの構築支援を行うベンチャー企業・株式会社ユーピーエフの仲手川代表。ユーピーエフでは、実家に帰省しながら勤務する「里帰りテレワーク」を2020年4月から導入している。きっかけとなったのは、地方出身の社員の“ある言葉”からだった。

「仙台から出てきて東京に就職して、『中々実家に帰る機会がない』と(言われた)。コロナでずっとリモートワークになったから自宅で仕事をしているが、それを機に本人から『実家に帰って仕事をしてもいいですか?』と率直に相談された。環境がしっかりしているかどうかを確認したうえで承諾した」

職場は「実家」? “里帰りテレワーク”制度で帰省しながら勤務可能に 働き方の選択肢広がる

 こうして始まった「里帰りテレワーク」。約40人の社員のうち、10人ほどが制度を利用している。中には2カ月以上、実家で働く社員もいるという。

「高齢のメンバーの中には、介護が始まっている者もいる。そういうことをしなきゃいけないために離職につながったり、有給を使って1カ月休むことで仕事の仕方が変わってしまったりする。今の時代、そうしなくてもいいんじゃないかと思う」

 今や“実家に帰りながら働く”ことが可能になるなど、働き方の選択肢として当たり前になったテレワーク。しかし、中には導入が進まず頭を抱える企業もある。こうした中、仲手川代表はテレワーク導入のカギとして「フリーWi-Fiに接続しない」「VPN接続の義務付け」といったセキュリティ対策を万全にすることに加え、「社員一人一人の意識」が重要になると話す。

「元々そういう仕事をしている関係があり、テレワークでも日々社員のやることやミッション、小さい完了点のようなものが明確になっている。ミッションが明確になっていない会社は(テレワークを導入するのが)難しいと思う。これからも在宅ワークは取り入れていきたいが、どこまでどうできたら、どういうふうなスキルがあればテレワークがOKかなどをより明確にしていきたい」

職場は「実家」? “里帰りテレワーク”制度で帰省しながら勤務可能に 働き方の選択肢広がる

 このニュースについて、キャスター取締役CROで“Mr.リモートワーク”こと石倉秀明氏に話を聞いた。

――中小企業のテレワーク実施状況に関する調査を見ると、2021年11月の東京23区における実施率は31.2%でした。石倉さんはこの状況についてどうお考えですか?

「建設業やビル管理業などの業態もあるのでしょうがないと思うが、『中小企業だからできない』ということはない。どちらかというとテレワークに慣れたり、仕事のやり方を変えたりしなければならない。例えば、『対面で会えないからチャットを使ってテキストで会話しなくてはいけない』『空気を読むことができないから言葉でちゃんと伝えなくてはいけない』というように仕事の仕方に変化がある。それに慣れていかないといけないし、オンラインで仕事をするならどうしたらチームワークが作れるのか、どうしたら生産性が上がるのか、どうしたらコミュニケーションがとれるかを考えて、実践して変えていかなければならない。しかし、オフィスがあると『オフィスに行けばいいか』と(いう考えに)なるので、変わる動機がなくなってしまう。結局“オフィスに戻る”という選択肢が残っている状態なので、『うまくいかなかったら戻ればいいや』みたいな感じで戻ることが多いと思う」

職場は「実家」? “里帰りテレワーク”制度で帰省しながら勤務可能に 働き方の選択肢広がる

――例えば、NTTの「出社は出張扱いにする」というルールくらい大胆なことを上層部が判断していく必要があるということですね。

「オンラインでどこでも仕事ができるなど、オフィスに戻ることを考えないぐらい仕事のやり方や会社のコミュニケーション方法を変えていかないといけない。オフィスに戻るのは楽な選択肢だからそうなってしまうと思うが、うちの会社では『感染リスクがあるから出社したくない』『満員電車に毎日乗らなくても仕事ができることをわかっているのに、今いる会社はリモート勤務できない』と言って転職してくる希望者がめちゃくちゃ増えている。先ほどのNTTの話にもあったが、東京の大企業や魅力的な条件・待遇を持っている会社がどんどんリモートワークをしている。そうなると、地方の人は地方の会社で働く理由がなくなってしまう。地方にいながらそういう会社で働けばいいし、中小企業に毎日出勤してる人も“同じ業種のあの会社に行ったら出勤しなくていい”となれば、人が出ていってしまうと思う。だから、地方の会社や中小企業で、待遇や給与であまり魅力が出せない会社ほどテレワークをやらないと『東京の会社に行けばいいじゃん』という考えになってしまう」

(『ABEMAヒルズ』より)

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