将棋の竜王戦決勝トーナメントが7月15日に行われ、稲葉陽八段(33)が伊藤匠五段(19)に110手で勝利した。
関西の実力者が、新進気鋭の若手ホープに貫禄を示した。角換わりの出だしから、先手の伊藤五段は消費時間をたっぷり投入。稲葉八段が王手金取りを狙う歩打ちの一手に、伊藤五段は2時間1分を費やした。一方、稲葉八段は50手目まで消費時間はわずか1分。中終盤に備えて時間を蓄えた。夜戦に突入後、先手は必死に後手陣を乱しにかかったが、稲葉八段が冷静な指し回しで伊藤五段を圧倒。ここまでに13連勝と、絶好調の若手気鋭につけ入る隙を与えず退けた。
この結果で、稲葉八段は決勝トーナメント4回戦に進出。終局後、稲葉八段は次戦の山崎隆之八段(41)との対局を見据え、「新たに準備して臨みたい。昨年の竜王戦(1組3位の出場者決定戦)で負かされたので、リベンジしたい」と闘志を燃やした。
一方、6組優勝から本戦トーナメント3回戦で敗れた伊藤五段は、「大きい舞台で3局指せたことは良い経験になった」とコメント。来期に向けて「またリーグ戦から一局一局勝ち上がっていきたい」と前を向いた。(ABEMA/将棋チャンネルより)