元信者の大学教授が語る 旧統一教会と“縁が深い“政治家「間違いなく清和会」
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 東京大学入学とほぼ同時に旧統一教会に入信。約11年半後に脱会した金沢大学の仲正昌樹教授が、安倍元総理の銃撃事件や旧統一教会について語った。

【映像】元信者が明かす旧統一教会と“縁が深い”政治家

「長いこと統一教会にいた人間からすると、なんで安倍さんなのかと思いました。安倍さんと統一教会は岸信介さんの時代からの付き合いはあったと思いますが、教会側の認識としてはそれほど距離の近い人ではなかったので正直、私も驚きました」

 そう話すのは、元統一教会信者で金沢大学の仲正昌樹教授。1981年に東京大学に入学して、駒場寮で「原理研究会」に勧誘されたのをきっかけに「世界平和統一家庭連合(=旧統一教会)」に入信。約11年半の活動を経て自らの意思で脱会した。

 東大入学時に旧統一教会とは知らずに原理研究会からの勧誘で入信した仲正教授。当時は駒場寮に入寮していて、その周辺を散歩していた時に“宗教と科学に関する”アンケートを依頼されたのが入信のきっかけだという。当時について、仲正教授はこう振り返る。

「アンケートの後に『宗教と科学の統一に関する研究会をやっていて、そこで新しい宗教と科学を統一する理論があるんですが聞いてみたくないですか』と言われて、興味があったので付いて行きました。その方から一対一で、統一教会の触りの部分の講義を受けて、その後にもいろいろ話を聞いてくれたのもあって割と打ち解けて、2回3回と通うようになりました」

 約11年半もの間、活動していた仲正教授。旧統一教会と特に“縁が深い政治家”はいたのだろうか。

「間違いなく清和会(清和政策研究会)です。統一教会が中心になって作った国際勝共連合があるのですが、日本で設立するにあたって岸信介さんと(日本財団創立者の)笹川良一さんがかなり協力されたと。あの当時、岸さんは韓国との政権関係もお互いに反共ということで良好で、付き合う上では支障はなかったと思います。ただ、清和会の方々は内部の人からすると、新党とか天皇を大事にする思想の人たちとみられ、自分たちのように韓国人をメシアだと言っている宗教団体とは根底のところでは合わないといった認識を持っていました。教会の中に長くいる人はそういう印象を持っているのではないかと思います」

 今回の事件を受けて、ネット上では宗教法人に対する課税や規制に関する議論も始まっている。この規制について、仲正教授は次のように見解を述べた。

「メディアでよく言われているのは献金額に対する規制ですが、献金額でいうと統一教会に対してはいいと思います。例えば、お金持ちの方が由緒伝統ある神社や寺に高額な寄付をしたい時にも引っかかってしまう可能性があります。もし、直接な寄付がダメだとしたら統一教会ではまさにやっていますけど、例えば投資のような形でお金を出させるとか、もぐってしまうような形になる可能性が高いと思います。額ではなくて、山上容疑者の件から考えると、扶養家族がいる人が財産を全額寄付できない、取り返しができるような仕組みを作っておいた方がいいと思います」

元信者の大学教授が語る 旧統一教会と“縁が深い“政治家「間違いなく清和会」

 安倍元総理の銃撃事件で逮捕された山上容疑者は、動機について自身の母親が破産してもなお旧統一教会に対して献金をしていたなどと供述していた。この件に、ニュース番組『ABEMAヒルズ』に出演している経済学者でイェール大学助教授・成田悠輔氏は「この問題はいろいろ絡み合って混乱する」と持論を展開した。

「いくつか挙げてみる範囲でも、そもそも統一教会という組織が行なっている活動自体が倫理的に問題があるのではといった問題。それから、その組織と例えば自民党のような政治的な組織がかなり近い関係にあって、政治と宗教の密着が起きているのではという問題。今回の山上容疑者が統一教会の問題と自民党との関係を自分の事件の犯行動機として当てたので、かなり異質なものが組み合わさってすごく難しい問題になっていると思う。

 最初の二つの問題については、今多くの方が取り組まれているようにメスを入れることが大事だと思う。ただ、一つ重要だと思うのは、今回の犯行動機を大きな組織や政治と宗教の話に短絡的に結びつけない方がいいと思う」

(『ABEMAヒルズ』より)

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