車を運転する人ならば、誰でも一度は経験があるであろう“歩行者に先を譲られる”ケースで、明日は我が身の知っておきたい交通違反事例が発生し、反響を呼んでいる。歩行者に先を譲られ、従った結果、取り締まりに遭ってしまった運転手が苦しい胸の内を明かした一方、元警察官YouTuberが今回の件について「私だったら取り締まらない」「点数稼ぎではないが、狙っていた」などと私見を述べた。
あるドライブレコーダーが映し出しているのは、都内の信号のない横断歩道。停車していた路線バスが発車したので後に続こうとしたところ、右から歩行者が来たため、車は一時停止。右からの歩行者の横断を確認した後、左から来た歩行者を見ると「どうぞどうぞ」と先に行くように手を振って合図していた。少し躊躇するも、歩行者に道を譲られたので車を発進させた。しかし次の瞬間、思いもよらぬ展開に発展してしまった。
「停車をしたところで警官の方が来て、トントンとしたので窓を開けたら『分かりますか?』と。なんのことか分からなかったので『分かりません』と言ったら、『違反です』と」
運転手の男性は警察官に「歩行者妨害違反」だと告げられたという。男性は「譲られたので行ったんですけど」と主張したが、警察官は「それも行ったら違反です」と応じたという。果たして、このケースは違反になるのだろうか。
道路交通法第38条第1項には「横断歩道などによりその道路の前方を横断し、または横断しようとする歩行者などがある時は、当該横断歩道などの直前で一時停止し、かつその通行を妨げないようにしなければならない」とある。
本件について藤吉修崇弁護士は「せめてドライブレコーダーを検証したうえで、こういった理由で今回は違反になるんだとちゃんと説明して頂ければ、当然運転士としても、今後はどう気を付ければいいか参考にはなる」と建設的な意見を述べれば、警視庁捜査関係者は「歩行者に譲られたからといって、違反にならないとは限らない。状況による。ただ全く歩行者が動いていない時点で譲られたならば、違反にならない可能性もある」との考えを示した。
一方で「対応が雑だった」と主張するのは元警察官YouTuberのやまよし氏だ。
「現場の警察官の一判断としてこれは違反だと考える。違反として認めないのであれば、そのあと検察庁から呼び出しがあるでしょうから、それに応じてくださいという説明をしていないので、対応が雑だったのでは」
そのように説明したやまよし氏はさらに「私だったらあれは取り締まらない」と苦笑いを浮かべると「注意ということで以後は気を付けてくださいという風にする」と続けた。
また「点数稼ぎだったのでは?」との問いに対しては「点数稼ぎではないのでは」と答える一方で「狙っていたのでは。目標として一人2件交通違反の取り締まりをしようとしてるとすると『なんでみんな2件やってるのに、お前は0件なのか。さぼってたんじゃないのか』という話にもなる。交通違反になってしまうことは曖昧な部分があったりするので、メディアに取り上げられたことで、警察の対応もより適切になるのでは」と期待をのぞかせた。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)
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