新型コロナウイルスの感染者情報を管理するシステム「HERーSYS(ハーシス)」で26日午前、不具合が発生した。
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厚生労働省によると、一部地域でログインできない状態になり、夕方にほぼ復旧したという。不具合の原因はアクセス集中の可能性があり、同省では利用できない場合、FAX・メールでの報告をするよう通知している。
それまでFAXなどを使って送信、集計されていた情報をデータベースに直接反映させるシステムで、保健所・医療機関・療養者などの入力作業を軽減させた「HERーSYS」。しかし感染症対策コンサルタントの堀成美氏によれば、「入院の必要のない軽症者の把握は不要だ。感染者の情報も年代や居住地域などで十分であり、それ以上の入力は不要ではないか。今回を機に、無駄な作業は見直しをすべきだ」と指摘している。
近畿大学情報学研究所の夏野剛所長は「システム設計時の要件定義の段階で想定した処理量を上回ってしまったということだろう。もちろん対応できるようにすることは可能だろうが、この感染者数の増加と、一方で重症者数の少なさを考えれば、指定感染症の“2類相当”のままで良いのか、という問題がここに現れていると見るべきだ。
また、薬局で抗原検査キットを買おうとしたら、“説明に15分かかります”と言われた。しかしその商品の横には“研究用”の抗原検査キットが売っていて、それならすぐに買えると。これは一体なんなの、ということで規制改革推進会議でも取り上げたが、ちょっとおかしいことになっている」とコメント。
ジャーナリストの佐々木俊尚氏も「患者が自分で入力する『MY HER-SYS』のシステムも使いづらいと聞く。ただ、“第7波”は感染力の強さに比べて重症者の数が少ないので、もう軽症者については数えなくていいのではないかという指摘も医療関係者からは出ている。
実際、発熱外来の予約が朝の時点で2〜300人という状況になっている病院もあるようだし、基本的には政府が無償で配布していく抗原検査キットを使い、それで陽性が出たら自宅療養する、という方向に切り替えていくタイミングなのではないか。社員に対してPCR検査での陽性の証明を提出しろというようなことを言っている会社もあるらしいが、そういうところも周知徹底していく。それがインフルエンザ的な感染症になっていくということだと思う」と話していた。(『ABEMA Prime』より)
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