少量口にしただけで命を落とすことも… 最強の毒キノコ「カエンタケ」公園で増殖 神奈川県など各地で目撃情報相次ぐ
【映像】炎の形をした「カエンタケ」
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 触れただけで皮膚が異常を起こし、少量でも食べてしまうと死亡することもある最強の毒キノコ「カエンタケ」。公園で増殖し、目撃情報が相次いでいる。

【映像】炎の形をした猛毒キノコ「カエンタケ」

 見るからに毒々しい猛毒のカエンタケ。鮮やかな赤色と燃えるような炎の形からその名が付けられた。その毒性について、東京農業大学の橋本貴美子教授は次のように話す。

「食べてしまうと非常に強い毒がたくさん入っているので、小指の先ほど食べただけで人ひとりが亡くなる。触るのが危険というのはカエンタケぐらいしかないので、そういう意味ではカエンタケが最強だと思います」

 専門家も“最強の毒キノコ”と呼ぶカエンタケ。秋のイメージが強いキノコだが、カエンタケは6月から12月と発生時期が長く、湿気が多ければ暑くても寒くても気温に関係なく繁殖するのが特徴だという。

  神奈川県座間市にある公園で、職員が朝の見回りをしていたときにたまたま見つけたカエンタケ。今月、梅雨明け以降も雨の降る日が多かったことや、局地的な大雨が続いたことも、発生に関係しているとみられる。

 この公園は職員しか入ることのできない場所のため、利用者が触れてしまう危険性はなかったが、一般の人も利用できるログハウスの近くにもカエンタケが見つかった。

少量口にしただけで命を落とすことも… 最強の毒キノコ「カエンタケ」公園で増殖 神奈川県など各地で目撃情報相次ぐ
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 職員は取り残しのないようにスコップでカエンタケの周りの土を含めて除去した。公園のある座間市以外にも神奈川県内では、横浜市、川崎市、厚木市。さらに、千葉県や福井県にもあった。

「(カエンタケは)山の中とか公園とか関係なく枯れた木の根元に生えます。というのも枯れた木に生えるカビを食べているキノコ。カビを今、そこら中に繁殖させているのがナラ枯れを起こしているカシノナガキクイムシ。その虫が繁殖するとカエンタケが必然的に増えてきてしまっている」

 ナラ枯れとは、ブナなどの広葉樹林に害虫が侵入することで木が枯れる病気。被害はこれまでに42の都府県で確認されていて、特に神奈川県はわずか3年で約15倍に急増している。

 ナラ枯れに悩む、神奈川県・大和市の公園にもカエンタケを発見。実はこの場所、職員が朝、カエンタケを除去したばかりで、わずか半日でまた同じ場所から見つかったという。

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 2000年には群馬県で毒のないキノコと勘違いしカエンタケを間違って食べた男性が死亡している。これからの季節、危険なキノコはほかにもあるといい、橋本教授は注意を促した。

「(有毒の)ベニテングタケというのがあります。あれの白いタイプというかドクツルタケと言いますけど、そのキノコが夏では最も気を付けないといけないです」

(『ABEMAヒルズ』より)

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