将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント1回戦第1試合、チーム豊島とエントリーチームの対戦が7月30日に生放送された。エントリーチーム1勝で迎えた第2局は、チーム豊島・深浦康市九段(50)がエントリーチーム・黒田尭之五段(25)に勝利した。
両軍のエースが激突した第2局。予選でチーム躍進の原動力を担っていた両者だけに、さっそく大きな注目を集める一局となった。公式戦を含めて初手合いの両者。オールラウンダーの黒田五段は三間飛車を採用した。序盤は互いに早いペースで指し進め、黒田五段の積極性が光ったが、深浦九段は圧巻の勝負術でじわじわとリードを拡大。終盤では深浦九段がバシバシッと自身の頬を叩いて気合を込める場面も見られた。黒田五段も最後まで必死の抵抗を見せたものの押し返すことはできず、深浦九段が冷静な指し回しで完勝を飾った。
第1局はチームエントリーの冨田誠也四段(26)に先勝を許したものの、第2局に登場したエース・深浦九段がすぐに星を戻して1勝1敗に。終局後、深浦九段は「序盤から落ち着いて指せた。黒田五段は最終盤になっても押し込んでくる強さがすごいなと思ったが、結果が出せて良かった」と柔らかい笑みで一局を振り返っていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)