将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント1回戦第1試合、チーム豊島とエントリーチームの対戦が7月30日に生放送された。2勝2敗で迎えた第5局はチーム豊島・豊島将之九段(32)がエントリーチーム・折田翔吾四段(32)に勝利、スコアを3-2とした。
第3局に続いて2度目のリーダー対決となった第5局。1-1、2-2とスコアがタイの場面でリーダーが登場する読み筋は両チーム一致したようだ。先手番の豊島九段は「微妙ですね。後手は折田君と決まっているのかも」とやや意表を突かれた様子。雁木模様の出だしから、豊島九段は囲いもそこそこに戦闘モードに突入した。
工夫を見せたのは折田四段。二転三転と優勢が入れ替わったが、豊島九段は自陣を歩で立て直す勝負術を披露した。さらに、じわじわと駒得を重ねて折田四段の囲いをはがしてリードを拡大。自玉は金3枚の豪華な囲いで固め、後手の粘りにもしっかり対応した。飛車を成り込んでからは一気に追い込み、強者の指し回しを見せた豊島九段が再びチームに流れを引き寄せる3勝目を持ち帰った。
九番勝負を3勝2敗と勝ち越しで折り返すことに成功したチーム豊島。豊島九段は「今の将棋は内容は良くなかったが、(九番勝負の)中盤の大きなところで結果を出せたのは良かった。この後も3人で力を合わせて頑張っていきたい」と後半戦への意気込みを語った。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)