試合終了間際、残り2秒で奪ったラウンド2度目のダウンに敗者が「ダウンしていない」とばかりに即座に立ち上がって首を振りながらアピールするも、次の瞬間、“ガクッ”とヒザが崩れてレフェリーはKOをコール。土壇場で訪れた予想外の結末に「足元がフラフラだからダウンは妥当」「あれでダウンは軽すぎる」など、視聴者の意見が真っ二つに割れた。
7月30日に後楽園ホールで開催された「Krush.139」。永坂吏羅(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と内田晶(チーム・タイガーホーク)の対戦は、バッティングや掴みなど荒々しい攻防から、両者譲らない展開に発展。試合は3ラウンド残り2秒、永坂がカウンターの左フックで土壇場での劇的なKO勝ちを収めた。
3連続KOと参戦するごとに存在感を増してきた永坂。前回は元Krush王者の吉岡ビギンを完膚なきまでに倒し、進化ぶりを猛アピール。今回は3年前にドローとなった内田との決着戦に臨む。対する内田は2連敗中、再浮上のためにも負けられない再起戦だ。
序盤は互いの距離を探りながら緊張感のある攻防。2ラウンドに入ると、永坂がスピードや変則的な蹴り、爆発力のあるパンチで攻勢に出る。一方の内田はミドル、インローと強い蹴りを織り交ぜながら自らの持ち味を発揮。しかし激しい攻防による代償か、試合は2度のバッティングで中断するなど、荒れ模様の様相を呈した。
とくに3ラウンド、2度目のバッティングでは内田の頭部と永坂の後頭部が交錯。ダメージが大きい永坂が座りこんだまま長いインターバルを取る場面もみられた。相次ぐバッティングに「永坂のトリッキーな動きもあって噛み合わないのか」「2度目のバッティングは内田のせいじゃない」「パンチの距離より近いところで飛び込んだら当たる」など冷静な指摘も聞かれた。
2度目のバッティングから試合再開後、ゆったりしたスタンスからミドルやパンチの連打とキレのある動きをみせる内田に対し、永坂は距離をとりながら再び変則的な打撃で自己流のスタイルを貫く。残り30秒、大振りの左右のパンチをかい潜ってかわした内田だったが、永坂の一発を貰いフラッシュぎみに腰を落とす。本人は「ダウンしていない」と首を振るが、レフェリーはダウンと判定する。
終盤のダウンを取り戻そうと猛攻を仕掛け、前に出た内田だったが、そこに狙いすました永坂の左フックがカウンターで炸裂。今度は前のめりに倒れた内田は即座に立ち上がるも、足元がおぼつかない。直後にヒザが“ガクッ”と落ちたところでレフェリーが危険と判断して試合を止めた。残り時間2秒での劇的決着だった。
この判定に納得がいかない内田は首を振って再び不服な様子を浮かべた。すると試合を中継したABEMAの視聴者からは、フラッシュ気味のダウンからの強制エンドに「あれでダウンは軽すぎる」「止める必要あった?」「内田が可哀想」といった同情的な声も聞かれた。
一方、リプレイ映像では最初のダウンで内田の足元がフラフラのシーンも見られ「その前からパンチが結構効いていた」や「結構効いていたと思う」など、ダウン判定を支持する声も。レフェリーの判断をめぐっては、最後まで意見が真っ二つに割れていた。