男性を車に乗せて監禁し暴行を加え、400万円相当の高級腕時計などを奪った疑いで指定暴力団工藤会系の組員・荒井幹太容疑者(22)ら4人が逮捕された。荒井容疑者らは被害に遭った一般市民の男性から約120万円を借りており、その返済を迫られた末に逆上、恫喝の末に犯行に及んだとされている。
【映像】元山口組系会長が明かした「暴力団同士金融」驚きの実態
荒井容疑者らは「工藤会がどんな組織か知ってるか?」「かたぎが金回収とは何様だ」などと発したと言うが、警視庁は4人の認否を明らかにしていない。
これまでは暴力団が関与する闇金から金を借り、激しい取り立てに遭うことが多かったが、今回はその逆。一般市民にお金を借り、返済を迫られた暴力団員が監禁、暴行&窃盗に及ぶといった珍しいケースだ。今回のできごとについて、元山口組系義竜会会長で現在は暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」を主宰する竹垣悟さん(71)は「コイツらはとんでもないやつ」と嘆くと、“シノギ”の厳しくなった暴力団事情についても明かした。
「暴力団 昔から任侠稼業やのに かたぎを脅かすって コイツらはとんでもない奴ですわ」
そのように切り出した竹垣さんはさらに「ヤクザしとったら会費払わないかんけど、会費払われへん時に私は家の解体とかをヘルメット・マスク・サングラスで人にわからんようにしたこともある。(お金を借りるには)人に頭を下げるん嫌いですやん。ヤクザして胸張って生きとんのに」と続けた。
竹垣さん自身、暴力団員の頃は一般市民への対応にはかなり気を使っていたという。
「かたぎの人間に暴力団が二人以上寄って(かたぎが)怖い思ったら暴力行為になる。昔は“ビールの栓を抜け”って目を睨んだだけでも強要になるとか、暴力行為になるとか。“怖かったからビールの栓を抜いた”といわれたら罪になるから、そういうことはせんようにと組織内でも通達があったりした」
6月には稲川会系組員による闇金事件の被害者らが稲川会トップに対して使用者責任があるとして約1300万円の損害賠償を求めて提訴した。竹垣さんによると、暴対法などによって暴力団のいわゆる“シノギ”が追い詰められており、暴力団金融なるものが登場しているとのこと。
「今の暴力団は同じ暴力団として認定された者同士で金を貸している。いわゆる“金融暴力団”というのはそういう感じ。ヤクザ同士金融やね」
一般市民を相手にすると金の行方が追えなくなる可能性が高く、貸し付けを渋る組員もいるというが、貸し付けの際に生じる金利が、大きなシノギになるとも。
「一部の人間はそれで充分食べていくどころか、財産残して“金持ちヤクザ”といわれてるところもある。今のヤクザは金があれば出世するという側面もある。金が無かったらナンボしっかりしとっても出世はできん」
そのような経緯から竹垣さんは、お金がなく、会費の払えない人がかたぎになるために同NPO法人を立ち上げ、その更生支援を行っている。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)
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