子どものワクチン接種に医師「感染・重症化の予防効果はあるので検討してほしい。ただ、受けたくない人は受けなくていい。そういうコミュニケーションが大切だ」
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 日本小児科学会が、新型コロナウイルスの感染拡大“第7波”で子どもの感染者が急増、重症化例や死亡例も増えていると報告した。

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子どものワクチン接種に医師「感染・重症化の予防効果はあるので検討してほしい。ただ、受けたくない人は受けなくていい。そういうコミュニケーションが大切だ」
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 18日の『ABEMA Prime』に出演した手を洗う救急医Takaこと、こびナビの副代表・医師の木下喬弘氏は「デルタ株の時とは比べ物にならないくらいの感染者数が出ている以上、死者数が上がってくることも予想はされていた。一方で、40代、50代の方々が重症の肺炎になって集中治療室を埋めるということが少ないという状況がある。昨年の夏に比べて改善はしてきていると捉えても問題ないのではないか」との見方を示す。

 そこで気になるのが、子どもが死亡するケースや、対策としてのワクチン接種の必要性だ。

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 「我々医療従事者としては、子どもが重症化しにくいのは事実だが、重症化しないわけではない、と言い続けてきたつもりだ。ただ、10代以下の子どもの感染者数が週に20万人ほど出ているので、少ないながら亡くなる子どもも出てくることになる。アメリカでも日に100万人を超える感染者が出ていた時期には1000人以上の子どもが亡くなった。

  一方で、この1カ月ほどでオミクロン株が出てからの子どもへのワクチンの有効性の研究結果が立て続けに出てきた。やはり接種直後で感染予防効果や発症率を抑える効果があり、入院しなければならないほどの重症化を高い確率で防ぐことができるということが分かってきた。厚生労働省もこれをベースに“努力義務”という表現に変え(9月から)、日本小児科学会も“推奨”に舵を切ったということだと考えられる。

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 一度感染した方も含め、時間を置くと抗体価が下がっていくということは事実なので、アメリカのCDCも厚生労働省も6カ月程度経ったら再度接種を考えてくださいと言っている。周囲の感染率が高い場合、それより間隔を短くしても大丈夫だとしているので、流行っているということであれば接種を検討した方がいい。

 心配される副反応についても、特に5〜11歳の場合はワクチンの量が大人の3分の1なので、その分だけ少ないということが分かっている。38度以上の発熱が出る割合も10%を切っているぐらいだ。また、重篤な副反応として指摘される心筋炎に関しても、15歳以上の男の子に多い疾患で、20代を過ぎると少しずつ下がってくるものだ。安全性は高いというふうに考えていただいていい」。
 
 厚生労働省の専門家分科会は8日、5〜11歳への接種について「努力義務」とすることを了承。9月上旬にも適用される見通しだ。

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 「インフルエンザの場合でも、実は子どもの中には脳炎・脳症になってしまい意識が戻らないというケースもある。だからといってインフルエンザのために社会生活を止めろとは言わないが、医療従事者としては重症化予防が期待できるワクチンの検討をお願いしたいと考える。

 ただ、厚生労働省の“受けてもらった方がいいけど努力義務は課さない”というような方針は、医療従事者からみてもよく分からない。一般の方であればなおさら判断は難しい。

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 私としても、義務化した方がいいとは思わないし、受けたくないという人は受けなくていい。ただ、感情的な議論を避け、データを基に分かりやすく説明し、“でも無理はしなくていい”というようなスタンスでのコミュニケーションをするということが必要なんじゃないか」。(『ABEMA Prime』より)

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