ジェンダー問題に関心のある学生が、身近に潜む“無意識の思い込み”をショートムービーとして映像化した。幅広いテーマを扱った作品に注目が集まっている。
【映像】「女性らしく」「男性だから」…学生らが制作したムービー
ジェンダー平等の取り組みを推進する、NPO法人ジェンダーイコールが公開した「リケジョ」と呼ばれることに対して異議を唱える動画。学生メンバーがジェンダーに関するテーマをそれぞれ持ち寄り、ショートムービーを制作した。
「男性だからこうあるべき」「女性の趣味はこういうもの」。学校生活の中のジェンダーバイアスをテーマに動画を制作した学生は、「性別による無意識の思い込みは当たり前のように潜んでいる」と話す。
「私は女性だけが差別されているとは全然思っていなくて、女性であっても男性であっても、性別を理由にやりたいことができないというのが今の日本じゃないかなって思います。私は小中高生を対象に学校に直接出向いて話をしていきたい。そういうときに、こういうショートムービーが活用できるんじゃないかなと思っています」
また、夫は仕事、妻は家事という家庭内での役割分担の決めつけから生まれる軋轢について描いた学生は“お互いの苦労や気持ちを知る大切さ”を映像化した。
「僕の両親は数年前までお父さんが仕事でお母さんが家事。あるときお母さんが『自分も仕事したい』となって、曜日ごとにお父さんの仕事の日とお母さんの仕事の日で、僕たち子どもの世話をする日を作って分担したらうまくいったので、それをモデルにしました」
そして、同性愛について描いた作品で同性から告白された生徒などを演じたはなさんは、「事前に知っておかなければ、ジェンダーバイアスに気付くことができない」と今回の動画制作を通じて感じたという。
「演じてみて意識してみたら『こういうこと確かにあったな』と思って。常識として知っておくのが大事だなと思っていて、教科書とかには取り入れてもらえてないので、そういうところを変えていきたい」
動画を公開したジェンダーイコールはメンバーのおよそ半数が学生。この1〜2年で学生からの問い合わせが急増し、「ジェンダー問題に対する若者の関心の高さを感じている」と代表の田渕さんは話す。
「私たちのときから問題はあったはずなのに、声をあげなかった結果、今学生たちにしわ寄せがいっているのかなと思っていて。学生が声をあげざるを得ないような感じに私は見えてしまっていて、申し訳なく思っています。私が出来ることとしては学生・若者のサポートかなと考えています」
(『ABEMAヒルズ』より)