昆虫への“残酷な行為”、親は子を注意すべき? 田端信太郎氏「小さい子どもなら思うようにやらせていいのでは?」
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 夏休みもあとわずか。自由研究の鉄板となっている昆虫の採集や観察日記だが、先日このようなツイートが話題になった。

【映像】「殺してしまった・死なせてしまった虫」の上位抜粋

 「子どもが『昆虫に対する残酷な行為』をしていた時、親が取るべき行動は」

 ある調査で、子どもの頃に遊びの中で虫を殺してしまったことがあるかを大学生に質問したところ、226人中224人、実に99%が「ある」と答えた。そして、殺してしまった理由として2割が「楽しかったから」と回答している(「子どもの頃に土壌動物を殺してしまった体験について」/佐藤英文、2014年)。

 こうした行動に対して親はどう接するべきなのかがTwitter上では議論となり、「私は止めるけどな。踏みつぶして遊ぶのは嫌だ」「止めないし怒らない。でも虫も命があって苦しんでいるかもしれない事は伝えるかな」「昆虫の標本を作るのはOK?違いがわからん」といった声があがる。

 親は子どもの行為を無視すべきなのか、それとも注意すべきなのか。北海道大学研究員で「昆虫はかせネットワーク」代表の鈴木誠治氏は、「いくつかに分けて考えないといけないと思っている」として次のように話す。

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 「1つ目は、そもそも虫の触り方を知らないから、結果として殺してしまう場合。この時は大人が一緒に、“こうやって触って”というふうに学んでいくのが一番いいと思っている。次に、子どもはわりと残酷で、楽しみで殺すということ。トンボの羽をむしったり、巣穴に水を入れたりという場合は、諭す。虫をコンクリートの地面にたたきつけて遊んでいる子どもを見たことがあるが、“自分がそういうことをされたら痛いと思わないか?”というような言い方だ。善悪がわからないような小さい子どもの場合は、1つの経験として認めるしかないのではないか」

 一方、田端大学塾長の田端信太郎氏は「子どもが小さい時には思う存分やらせていいのでは」との考えを明かす。

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 「コンクリートに虫を叩きつける時、ある虫は死んである虫は死なないという結果から、科学的に何かあるのだろうかとか、ダンゴムシは丸まるから死ににくいということを疑問に思ったりする。もちろん先生が言っている意味もわかるし、これが正解というのもないが、小さい時に思う存分やらせれば、99%ぐらいの子どもは飽きるだろう。それを大人が『ダメだ』と言うから、“もっとやりたかったのに”と変にくすぶっちゃう。それぞれの発達段階でやりたいことを飽きるまでやってもらうのが大事」

 お笑い芸人のパックンも「子どもに“殺していい”と言う」そうだが、「逆に逃がす行為も気持ちいいし、そういうやさしさを育てるのが大事かなと思う。殺してはいけないという善悪の話ではなくて、やさしい人間になるためにそういうことを示すことで“やさしさ筋”が鍛えられる」との意見も述べた。

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 鈴木氏は標本を作る際、「これは大事に保管すれば100年もつんだよ。100年後の未来に残すものなんだよ。そのつもりであなたはこの虫を殺して、その標本を保管しなくてはならない」と必ず言うそうだが、昆虫をつれて帰る採集については、どのように考えればいいのか。

 「観察会の時に必ず言うのが、“持ち帰ってもいいよ。ただ最後まで責任をもって飼えるやつしかダメだよ”と。“世話をしないで殺したり、庭に放したり、お父さんお母さんに世話を任せることはしないでね。それができない虫はここで放していこうね”と言うと、大体の子どもはその場で数匹以外は逃がす。その上で持ち帰って飼って殺してしまうのは、それはもう1つの経験だろう」

 フリーアナウンサーの柴田阿弥は自身の体験から、「家の前がドブ川だったので蚊が大量に発生していて、殺さなきゃ家の中も蚊だらけみたいな状況だった。例えば、熊を射殺すると“なんでだ”“かわいそうだ”と言う人たちがいるが、それは熊が襲ってくる地域だから。地域差というか、どうしても害が出てしまう場合には致し方ないのかなと思う」と話す。

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 鈴木氏は「お母さんが子どもに“虫を殺しちゃダメよ”と教えながら、家にゴキブリが出たら殺虫剤をまく。それだけではなく、バルサンなどをたいて家の中の生き物を皆殺しにすることもある。結局、虫を殺さないというのは無理なので、その上で“どういう虫は殺すのか、殺さないのか”ということを考えていくのも大事なのではないかと思う」と述べた。(『ABEMA Prime』より)

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