感情表現に使われる“絵文字” 有無で伝わりやすさが変わる研究結果も「スマイリーは素早く相手に感情が伝達できる」
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「文字だけのコミュニケーションにビジュアルという新しいチャンネルが追加されたんだと」

 こう話すのは絵文字について研究している中央大学・理工学部の高橋直己助教。いまや、LINEやメールの文章に欠かせない存在になった絵文字だが、コミュニケーションにどう役立っているのか聞いた。

【映像】絵文字の有無で伝わりやすさが変わる?研究結果

「文章だけでは伝わりづらいその人の感情や微妙なニュアンスなど、そういうものを直接的に表現できる良い手段だと思います」

 では、感情を相手に伝えるとき、絵文字の有無で伝わりやすさはどう変わるのか。高橋助教らは、文章の書き手がどんな気持ちだったのかを読み手に想像させ、どのくらい正しく伝わっているかを調べた。

感情表現に使われる“絵文字” 有無で伝わりやすさが変わる研究結果も「スマイリーは素早く相手に感情が伝達できる」
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 調査したデータによると、数値が1に近いほど伝わりやすいことを示していて、おおよその傾向として絵文字の種類にかかわらず、絵文字無しと比較すると絵文字がある方がより相手に伝わりやすくなる。特に「スマイリー」という「顔の絵文字」を使った場合、喜びや悲しみの感情で顕著に違いが出たという。

「(表情は)感情を伝える一番ダイレクトな絵文字。目や口が大きく表現されているスマイリーの方が特徴を認識しやすいですし、感情が素早く相手に伝達できるのだと思います」

 しかし、便利な一方で文字とは違い、絵文字には難点もあるという。

「文字だったら発音の仕方、漢字だったら意味が決まってますけど、絵文字は顔のスマイリーだったら受け取り方に違いがありますよね。そういう曖昧さも含んでるからこそ瞬時に伝わるが、一方で誤解を生んでしまう可能性もある」

感情表現に使われる“絵文字” 有無で伝わりやすさが変わる研究結果も「スマイリーは素早く相手に感情が伝達できる」
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 高橋助教とともに研究活動を行う学生が、94個の絵文字について「笑いや笑みが含まれていると感じるか」をアンケートした。表の左側に並ぶ絵文字は、ほぼ全員が笑顔と感じているが、真ん中の絵文字になると「笑顔」と感じるか感じないかは半々くらいだった。

「笑いと笑いじゃないものが組み合わさったりという場合は、被験者にも迷いがあるのか、回答も50:50になったりとかするわけですね」

 どっちつかずな絵文字でも、感情のニュアンスを表すためには必要だという。しかし、それが相手に正しく伝わっているかはまた別問題。どうしたら絵文字使いで悩まなくてよくなるのだろうか。

「読み手に合わせて絵文字を選択するアプリケーションも考えられますよね。書き手より読み手に絵文字をちゃんと伝わるように絵文字をAIに選択させるとか……」

 しかし、私たちは顔の絵文字を、口の開き方や目の角度など、細かい部分で敏感に使い分けていて、コンピューターにそこまで学習させるのはまだ難しいという。では、この先ストレスなく絵文字を使うにはどうしたらいいのか、高橋助教は次のように話す。

「使わなきゃいけないとか、そういうのは堅苦しいというか、そもそもカジュアルにやりとりするためのものだと思っておりますので、自由にのびのびと絵文字を使っていただくのが楽しいかなと思います」

(『ABEMAヒルズ』より)

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