将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント2回戦第3試合、チーム糸谷とチーム斎藤の対戦が8月27日に生放送された。第1局で大会史上初の反則負けが発生する大波乱の幕開けだったが、第2局はリーダー対決による息詰まる大熱戦に。糸谷哲郎八段(33)が斎藤慎太郎八段(29)を下し、チーム2連勝を飾った。
【中継】チーム糸谷 対 チーム斎藤 個性豊かな棋士が集結(生中継中)
早見え早指しの実力者、糸谷八段は順位戦A級1位、2期連続の名人挑戦者である斎藤八段とは、同じ関西所属で数多くの対戦がある関係。先手番から得意とする角換わりを選択するかと思われたが、相掛かりに進み、独創的な序盤を作り上げた。斎藤八段も慌てず、角交換を経て両者ともに雁木模様に陣形を整えた。
広く手の見える両者らしく、中盤戦に入るとお互い盤面を広く見渡し、解説・聞き手からも驚きの声が連発する華々しい将棋に。中盤から終盤にかけては4枚の桂馬を巧みに使った糸谷八段が優勢に転じると、最終盤でも斎藤八段の粘りにもつれながらも相手の竜をうまく取りながら斎藤玉の弱体化に成功。一気に勝機をつかんで押し切った。
白熱した一局をものにした糸田八段は「志願して出てきたんで、ここで負けるわけにはいかないなと。序盤はよくわからない失敗をしつつ、中盤はよくなったかなと。最後はラッキーでした」とにっこり。解説の遠山雄亮六段(42)も「これは名局。正直、解説に困るような局面がずっと続いた。最後、糸谷さんの攻め、桂不成の王手竜取りが見事でした」と絶賛していた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)