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 8月27日、プロレスリング・ノア最強を決める年間最大のリーグ戦『N-1 VICTORY 2022』の優勝争いを大きく左右する終盤戦のヤマ場、名古屋国際会議場大会が行われた。

 メインイベントはBブロック公式戦の中嶋勝彦vs小島聡。両者の対戦は2014年に行われたN-1の前身、グローバル・リーグ戦以来8年ぶり。その時は小島が勝利している。

 今年、史上4人目となる新日本、全日本、ノア3団体の最高峰王座戴冠のグランドスラムを達成している小島は、過去に新日本のG1クライマックス、全日本のチャンピオン・カーニバルを制しており、今回N-1を制すれば、史上初の最高峰王座グランドスラム&主要3団体リーグ戦制覇の偉業達成となる。一方で中嶋も史上初のN-1三連覇がかかっており、どちらも偉業達成に向け負けられない一戦だ。

 小島がここまで4勝1敗(8点)で首位を走っているのに対し、中島は3勝2敗(6点)で、ここで負けると優勝争いから脱落する苦しい星取り。試合は崖っぷちの中嶋が、強烈な蹴り技を中心に小島にダメージを蓄積させていく展開。小島も正調コジコジカッターから雪崩式コジコジカッターにつなぎ、右腕のサポーターを外しウエスタンラリアットで勝負をかけるも、これは中嶋がカウンターの蹴りで迎撃し未遂に終わる。

 それでも小島は、中嶋のヴァーティカルスパイクを垂直落下式ブレーンバスターで切り返し、再度ウエスタンラリアットを2度狙うが、これも中嶋が腕へのハイキックで撃墜。

 勝負をかけた中嶋の奥の手ダイヤモンドボムを小島はなんとかカウント2で返すが、最後は中嶋がハイキックからヴァーティカルスパイクを完璧に決めて3カウント奪取。

 優勝戦線に生き残った中嶋は、試合後にマイクを握ると「俺にしか見せられないN-1三連覇、俺が見せてやるから、目を離すなよ。ありがとう!」と名古屋のファンにN-1三連覇達成を約束した。

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 Bブロックもう一つ注目の公式戦は、清宮海斗vs杉浦貴の一戦。開幕からまさかの連敗を喫し苦しいスタートとなった清宮だったが、3戦目で“武藤殺法”を全開にして中嶋勝彦を破ったのを皮切りに星を挽回し、ここまで3勝2敗の6点。

 小島とともに8点でトップを走る杉浦の厳しい攻めに苦しめられるも必死で食らいつき、最後はジャンピングニーアタックからシャイニング・ウィザード5連発で無我夢中の3カウント。4連勝で優勝戦線に残り、最終戦で逆転の決勝進出へ望みをつないだ。

 セミファイナルはAブロックの潮崎豪vs田中将斗。両者はここまで共に3勝2敗(6点)で並んでいるが、田中は優勝候補の現GHCヘビー級王者・拳王と藤田和之を撃破するなど絶好調。この試合でも抜群のコンディションで試合をリードする。

 それでも潮崎は、田中の厳しい攻撃を耐え抜き、最後はショートレンジのラリアットからローリングエルボー。さらにもう1発ラリアットを決め、最後は走り込んで体ごと浴びせるような豪腕ラリアットで田中将斗からシングル初勝利を挙げた。

 この日の結果により、Aブロックは拳王と鈴木秀樹が9点でトップ。それを追うのが8点の藤田と潮崎。Bブロックは、清宮、中嶋、杉浦、小島の4人が8点で並ぶ大混戦。『N-1 VICTORY 2022』決勝進出者は、いよいよリーグ最終戦8•28カルッツかわさき大会で決定する。

文/堀江ガンツ 

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