戦慄の左ハイキックで失神KO。ハッと我に返った敗者が 「俺どうなったの?」と“キョトン顔”を浮かべ、事態を飲み込めずレフェリーをただただ見つめる姿が印象的な劇的決着だった。
それは、8月27日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE FIGHT NIGHT 1」。パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)とサバス・マイケル(キプロス)戦での一幕だ。急遽リザーバーとして登場した伏兵のムエタイ戦士が戦慄のハイで失神エンド。ランカーのマイケルが、敗れたことすら認知出来ずに記憶が飛んだ状態になったシーンを目の当たりにした視聴者からは「空いた口が塞がらない」と驚きの声が多数寄せられた。
ONEフライ級ムエタイWGP準決勝として組まれたカード。日本でもお馴染みのムエタイ戦士、ロッタン・ジットムアンノンの代役に選ばれたのがタイのトップ選手の1人であるパンパヤック。マイケルにとっては最強の難敵、ロッタンとの対戦を回避かと思いきや、異なるタイプの技巧派が登場し、いずれにしても茨の道といったところだ。
試合開始と共に、ローと見せかけて前蹴り、蹴りから一気に加速してストレートからミドルなど、目の覚めるようなコンビネーションを次々に繰り出していくパンパヤック。毎回異なる軌道から飛んでくる蹴りにマイケルは反応できず、手も足も出ない。
すると衝撃エンドは2ラウンド開始直後に訪れた。脱力したスタンスから足を飛ばすパンパヤックに対して、ガードを固めるマイケル。ミドルキックが来ると察知したかガードを下ろし頭を下げた瞬間に、ガードの上を抜けて高速の左ハイが顔面を鋭く、激しく捉えた。
クリティカルな一撃を貰ったマイケルはそのまま後方に倒れ込んで失神。そのままゴングが打ち鳴らされた。衝撃だったのは、ダウン直後に何が起きたか全く理解できない様子のマイケルが「あれ、俺はどうしたんだ?」とレフェリーに問いかけるシーンだ。
ガードのポーズのまま後方に倒れ込みそのままフリーズ。一瞬にして意識を断ち切られた様子だ。何とか試合後にはリング中央に戻り対戦相手の勝ち名乗りを聞いたマイケルだが、最後まで「どこにいるのか?何が起きたかのか?」と状況を把握できないキョトン顔を浮かべるほどの衝撃的なKO決着だった。