豊島将之九段が先勝 4連覇を目指す永瀬拓矢王座を110手で破る/将棋・王座戦五番勝負第1局
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 将棋の王座戦五番勝負は8月31日、東京都港区「グランドプリンスホテル新高輪」で第1局が指され、挑戦者の豊島将之九段(32)が永瀬拓矢王座(29)に勝利した。2度目の王座挑戦で初奪取を狙う豊島九段にとっては、幸先の良いスタート。4連覇を目指す永瀬王座は、次局からの巻き返しが期される。第2局は9月13日、名古屋市の「名古屋マリオットアソシアホテル」で予定されている。

【動画】挑戦者の豊島将之九段が勝利した王座戦第1局

 現在、王位戦七番勝負と合わせて2つのタイトルに挑戦中の豊島九段が、シリーズ開幕戦で快勝した。振り駒の結果、先手番は永瀬王座に。角換わりの出だしから互いに趣向を凝らし、早々に前例を離れた。2014年以来2度目の王座挑戦となる豊島九段は、初奪取と無冠返上が目下の課題。序盤から積極的に攻撃を仕掛けていった。

 互いにじっくりと持ち時間を使った中盤戦での形勢は互角。豊島九段は1時間6分の長考を経て歩で踏み込み、局面を動かしに行った。優位に立ったのは豊島九段だが、永瀬王座も簡単には譲れない。終盤戦では、銀を上がって玉の脱出路を確保する勝負手を放ち、解説の佐々木勇気七段(28)が「攻めの手。永瀬さんの棋風の変化を感じる」とコメントした。しかし、豊島九段も巧みな指し回しで複雑な最終盤を冷静に対応。永瀬王座の粘りを振り切って、先勝をつかみ取った。

 終局後、豊島九段は「激しい展開になって、ずっと際どい将棋なのかなと思っていた。夕食休憩のところで、本譜の順のような感じで先手の変化が難しいのかなと思っていたが、長い手順なのではっきり確信とまではいかなかった」と一局を振り返った。一方、黒星発進となった永瀬王座は「激しい展開で際どいと思っていたが、玉を引かれると攻防手が難しいと思っていた。自然に攻めたつもりだったが、どこが致命的だったかはわからない」と話した。

 この結果、シリーズは豊島九段が1勝。4連覇を目指す永瀬王座は、次局で何としても追いつきたいところだ。両者のタイトル戦と言えば、2020年度の叡王戦七番勝負がファンに強い記憶を刻まれており、豊島九段が4勝3敗2持将棋1千日手の死闘を制した。第2局ではどのような戦いを繰り広げられるか。第2局は9月13日、名古屋市の「名古屋マリオットアソシアホテル」で予定されている。
ABEMA/将棋チャンネルより)

【動画】挑戦者の豊島将之九段が勝利した王座戦第1局
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永瀬拓矢王座VS豊島将之九段、開幕戦の戦型は「角換わり」に/将棋・王座戦五番勝負第1局