マウスピースを吹き飛ばす衝撃の後ろ回し蹴りが炸裂。空手仕込みの華麗な蹴りでのダウン連発に視聴者からは「綺麗に決まり過ぎ」など驚きの声が上がった。
8月27日に後楽園ホールで開催された「Krush.140」で、森田 奈男樹(エイワスポーツジム)とイゴール・シウバ(ブラジル)が対戦し、2ラウンド3度のダウンを奪った森田がKO勝利。空手出身の森田が繰り出す多彩な蹴りのオンパレードに会場も大盛り上がりを見せた。
フルコンタクト空手で実績を残し、プロデビューからKrush3連勝中の森田。対戦相手は急遽初参戦となった在日ブラジル人ファイターのシウバ。戦績は18戦16勝と大きく勝ち越している実力者だ。
1ラウンド、プレッシャーをかけ蹴りやパンチと積極的なシウバに対し、森田は前蹴りやカーフを狙ったロー、時折見せる変則的なバックキックと持ち味を見せていく。ラウンド後半になると森田の多彩なミドルのバリエーションにシウバが後退する場面も見られた。
2ラウンド開始と共にパンチをまとめて猛攻に出たシウバに対して、前ラウンドで遠距離からの蹴りでアドバンテージを得ていた森田が打ち合いに応じると、強い左フックでなぎ倒して残心のポーズ。空手家らしい攻撃で最初のダウンを奪った。
さらに森田はプレッシャーをかけて独特のモーションから三日月蹴りを飛ばしてシウバを後退させると、突き上げるような前蹴りを顔面に叩き込んで再びダウンを奪う。顔をしかめて戦意喪失ぎみのシウバは後がない。勢いに乗る森田は三日月、ガードを砕くようなミドル、さらに後ろ回し蹴りと三連打をたたみかける。
最後の回し蹴りはシウバの顔面を捉え、ロープまで吹き飛ばす勢いだ。フラフラとよろめくシウバの姿に危険と判断したレフェリーがスタンディングながら3ノックダウンを宣告して試合を止めた。
外国人選手を相手にパンチを貰いながらも打ち勝った森田の体の強さも圧巻だが、前蹴りに見えた2度目の蹴りはスロー映像で内側からひねりを加えて顔面にかかとを落とす“内回し”と呼ばれるKrushではなかなか目にしない蹴り。しかも最後の後ろ回し蹴りは相手の顔面に直撃し、マウスピースが飛ぶシーンまで捉えられていた。
異なる蹴りを次々と繰り出しダウンを奪う森田の姿に視聴者からは「ワザのオンパレードだ」「強さと美しさを兼ね揃えている」「綺麗に決まりすぎ」と興奮気味のコメントが相次いだ。