2015年からスタートした『HiGH&LOW』シリーズは、男たちによる激しいバトルアクション、熱い友情や仲間との絆が多くの観客を虜にし、2022年となった今でも長く愛されるシリーズとなった。最新作『HiGH&LOW THE WORST X』は、髙橋ヒロシによる不良漫画の金字塔『クローズ』『WORST』とのクロスオーバーが実現した前作『HiGH&LOW THE WORST』の続編にあたり、新たな闘争がドラマティックに描かれる。

 『HiGH&LOW THE WORST』から主人公・花岡士雄を演じている川村壱馬は、無論、並々ならぬ愛情を本シリーズに寄せている。川村が最初に作品への出演を聞いたときは、「うれしすぎて、爆発しそうだった」と過去のインタビューで答えていたものだが、通算4本目となった現在では、作品の顔としての華やかさを増し、座長としての責任感も正面から受け止め、真ん中にどっしりと立っている印象を受ける。

 今の川村に、俳優としての心構えや、4年にわたり向き合ってきた楓士雄という人物・その彼から受けた影響について、さらには作品と照らし合わせて自身のことを、飾らぬ言葉で語ってもらった。
 

楓士雄から学んだこと

映画『HiGH&LOW THE WORST X』より

――『HiGH&LOW THE WORST』シリーズで川村さんが花岡楓士雄を演じ、最初の撮影から4年という月日が流れました。最新作『HiGH&LOW THE WORST X』まで作品を重ねるごとに、川村さんの中で楓士雄はどんな存在になっていったんでしょうか?

僕にとっての楓士雄は、やっぱり(髙橋)ヒロシ先生が生んでくれた主人公です。あの憧れの『クローズ』や『WORST』の方が描いた、髙橋ヒロシワールド全開の人物、という。すごく大切な思いとして、そういう部分があります。役としては、自分の経験として本当に重要だったことは間違いありません。楓士雄から学ぶこともすごく多かったです。元々は、僕にはもっと気張っていた部分もあったかもしれないけど、「楓士雄ぐらいラフにいていいんだ」と気づかされるところもあったりしましたし。彼自身が周りをすごく惹きつけて人望に厚いところを、役を通して見てきたので「なるほどな、こういうやつに人が集まるのか」と勉強になりました。

僕は(デビュー前から)ずっと空手をやってきて、自分の実力で全てが決まるような世界でひとりで戦ってきたので、やっぱりチームプレイとかが上手ではない部分も多かったんです。そういうこともあって、楓士雄からすごく学ばせてもらいました。楓士雄をやった後、僕がグループに帰ったときに自然に(変わり)、メンバーにも「より柔らかくなった」と言われたりしましたね。コロナ禍を経てということもありましたけど、「すごく柔らかくなった」と言ってもらえることが多くなったのは、役が僕にいい影響を与えてくれたのかなとは思いますね。

――役とともにご自身も変わっていったんですね。ただ人望で言うと、楓士雄とは違うベクトルで、川村さんご自身ももともとお持ちだったのかなと思いました。

ああ…!でも、僕は対象に「好き」という感情がないと、一切の興味をなくしてしまうから…。

――0⇔100という性質ですね。

そうなんですよね。僕は、やっぱり全てに愛情ありきなので。選ぶお仕事、選んだこの職業にしてもそうですし、自分の趣味や私生活で取り入れるものも全部同じです。これから挑戦したいことも、全部好きが共通して存在しているので。誰々と関係を築き上げる、誰と関わるにしてもその人が好きだから、というベースが絶対にあります。じゃないと、本当に一切の興味はやっぱり生まれてこないというか。それは少しの好きでもいいんです、「あ、この人素敵だな」というぐらいでも全然良くて。

――楓士雄はそのベースは違いますもんね。

うん。何の関係もなく「もうみんな、好き!」という感覚なので、「ああ、すげーな」と思いました。好き嫌いは楓士雄もはっきりしているけれど、そいつすら巻き込んで、救済できるようなキャラクターじゃないですか。そこが本当にすげーな、と思います。

――この4年間、川村さんはほかの作品にも出演されてきました。俳優業とアーティスト業が50%ずつで足して100%ではなく、両方とも120%でやるというお気持ちはずっと変わっていませんか?経験を重ねたことで、変わったところもありますか?

結論から言うと、全く変わっていません。グループと芝居という分け方で言うと、お芝居は自分の中で共通してるものじゃないんですね。だから、今でも俳優業はグループに持ち帰るためにやっているわけではないですし、本当に「それはそれ、これはこれ」というところで120パー、120パーだと思っています。お芝居をやるからには、「アーティストだから」という言い訳もしたくないし、もっと言うと「本業は音楽です」みたいな逃げ道はいらないんです。だから、そういう部分はやっぱり変わってはいないですね。

――グループに持ち帰るためにやっているわけではないというのは、別個に考えているからであり、きちんとやっていれば結果、グループのためになるという考え方ということですよね。

そうです、そうです。お芝居をやるときも「これがなんかグループのために…!」という気持ちではなくて、純粋にお芝居を頑張っているというか。結局、自分が本当に一生懸命頑張って、それこそお芝居も楽しんで、それで評価していただけることがあれば、結果そのままグループに帰ってくると思っているんです。お芝居をやるときは一切何もほかのことは考えず、やっぱり120パー、120パーでやってますね。

『HiGH&LOW THE WORST X』で川村が驚かれたこと、その人物とは…

映画『HiGH&LOW THE WORST X』より

――『HiGH&LOW THE WORST X』の現場で、川村さんが意識していたことは特にどんなことでしたか? 

前作で僕は鳳仙に入り浸っていたりしたんですけど、それは自然にやっていたんです。今回も同じようにしていたんですけど、気持ちの構え方が違いました。今回は座長としての意識と責任感をしっかりと受け止めて、意図的にやった感じでした。続編で新キャストさんもたくさんいるのに、鬼邪高と鳳仙の中で俺が留まって、なんかあったまっている場合じゃないな、と思ったんです。新キャストさんも皆も巻き込んで、全員がいい雰囲気で撮影ができるように、と考えました。しかも僕は楓士雄というキャラクターをやるわけで、ましてやそれが座長となると、「そっちはそっちで…」とかやっている場合じゃないと、撮影前から考えていたんです。なので、実際にそういう行動をしました。

――仲良くなった後に、新キャストの皆さんから「ああ、川村くんってこんな人だったんだねー!」と驚かれたことなどもありましたか?

…たぶん(三山)凌輝には、「楓士雄の時はあんな感じだけど、普段はなんか爽やかな感じ!」と飯を食いに行ったときに言われたような気がします。「爽やかなお兄さんだ!」みたいな…(笑)。(中本)悠太くんからも「普段やっぱり全然違うよね」と言われましたね。

映画『HiGH&LOW THE WORST X』より

――反対に、川村さんが思っていた感じと違うなと、いい意味でギャップを覚えた方はいましたか?

(板垣)瑞生です。『PRINCE OF LEGEND』の時に1回共演はしてるんですけど、チームも違ってシーンが同じところもほぼなくて、関わりが一切ない状態だったんです。今回すごく接触してきてくれて、喋ってみたらめっちゃ愛嬌のある、かわいげのある犬みたいな感じだったんですよ…!そんな瑞生を見て、(前田)公輝くんとかアキくん(塩野瑛久)とかも「本当、変わったねー!」と言っていて。超可愛げのあるめっちゃいい子だったから、僕は衝撃でした。

年を重ねるにつれ言われなくなるから――「言ってくれる人を大事にしている」

――『HiGH&LOW THE WORST X』の魅力は派手なアクションシーンもさることながら、楓士雄の人としての成長を表現しているところだとも思います。楓士雄には司(吉野北人)や鬼邪高校のみんなが、天下井(三山)には須嵜(中本)が寄り添い支えてくれていますが、川村さんにとって誰かがいることによって気づけた出来事や、そういう人物はいますか? 

はい。そのときにリアルタイムで何かを言われてどう、というわけではないですけど、やっぱり(本当のことを)言ってくれる人は、マジで大事だなと思います。あの…ただの今の自分の話になるんですけど、これからもずっとだと思うんですけど…、やっぱり絶対に言われなくなっていくんですよ。

――年を重ねるにつれ、誰も本当のことを言ってくれなくなると。

はい。だから、極力言いにくい空気を僕も作らないようにはしていますけど、だからこそ、言ってくれる人を大事にしています。今だったら、母親だったりHIROさんからは、本当にがっつりアドバイスをいただきますし。それって、なかなか言いにくいと思うのに言ってくれていると思うんです。メンバーでは、さんも言ってくれるんです。

――言ってくださることももちろんですが、川村さんが受け入れる姿勢がある・聞く耳を持っていることも大きいのではないですか?

結構ガッと言われても、絶対にちゃんと感謝して聞くようにしよう、というのは決めています。例えば、どんどん立場が上がっていったりして、誰かに何かを言われて「は…?」となるような瞬間が、油断していたら絶対くると思うんです。人だから。そうならないように、言ってくれる人はマジで大事だな、と。母親からも本当にガッツリ怒られますし……ま、最近は全然ないですけど(笑)、たまにはありますし。そういうときに、ちゃんと自分で内観できるような人間で常にいたいな、というのはあります。自分にとってすごく大きな存在なので、改めてそういう存在は大事にしていきたいなと思っています。

(取材、文:赤山恭子、写真:You Ishii)

映画『HiGH&LOW THE WORST X(クロス)』

 男たちの友情と熱き闘いを描く「HiGH&LOW」シリーズと、累計8000万部突破・不良漫画の金字塔「クローズ」「WORST」(原作・髙橋ヒロシ)との奇跡のクロスオーバーが再び実現!

■出演:
【鬼邪高校】
川村壱馬、吉野北人、佐藤流司、神尾楓珠、福山康平、龍、鈴木昂秀、うえきやサトシ、中島健森崎ウィン前田公輝

【瀬ノ門工業高校】
中本悠太(NCT)、三山凌輝(RYOKI)、永沼伊久也、比嘉涼樹

【鎌坂高校】
藤原樹、岡宏明

【江罵羅商業高校】
長谷川慎、陣、今村謙斗

【鳳仙学園】
塩野瑛久、葵揚、小柳心、荒井敦史、堀夏喜、坂口涼太郎

【鈴蘭男子高校】
三上ヘンリー大智、板垣瑞生、時任勇気、八木勇征、木村慧人、高橋祐理

■公開:9月9日(金)全国ロードショー

©2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 ©髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX

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