【プレミアリーグ】エヴァートン0-0リヴァプール(日本時間9月3日/グディソン・パーク)
誰もが決まったと思った超美技シュートは、無情にも“ポスト”に阻まれた。スタジアムに反響する落胆の声。“まさか”の表情を浮かべるサポーター。さらに、“エヴァトニアン”らしき少年は悔しさのあまり頭を抱えたが、そんな息子をそばにいる父が強く抱き寄せる感動的なリアクションの瞬間を現地映像が捉えていた。
イングリッシュ・プレミアリーグ第5節でエヴァートンは、リヴァプール市に本拠地を置くチーム同士の“マージーサイド・ダービー”を戦った。ホームのグディソン・パークには多くのエヴァトニアン(=エヴァートンサポーターの愛称)がライバルの撃破を願って詰めかけた。
試合は拮抗した展開のなか、30分あたりからエヴァートンがチャンスをつくり始めると、迎えた32分にこの試合最大の決定機を迎えた。右サイドのスコットランド代表・パターソンがボールを奪うと、すぐさまボックス内にクロス。相手選手に当たってこぼれたところに、フランス人・モペイが反応するも、ここはシュートを打てず。さらにこぼれたところに詰めたのが、イングランド人MFのT.デイヴィスだった。
瞬間的な判断で右足アウトサイドでのシュートを選択。これによりGKのタイミングを外し、ボールはゴール方向へ。ボールの軌道を追う観客たちは、誰もが「入った」と確信し、すでにガッツポーズの準備を進める。しかし、ボールは無情にもゴール左上の角付近のポストをたたき、訪れるはずだった歓喜の瞬間は一転、落胆の声へと変わった。
現地映像のリプレイでは、多くのサポーターが一斉に頭を抱えるシーンが映し出されたが、その中に小さな男の子の姿も。少年は周りの大人と同様に頭を抱え、「見てられないよ」とばかりにピッチに背を向ける。それを見た父親は息子を抱き締めて慰めるなど、親子の切なくも感動的な場面が収められていた。
なお、ABEMAで解説を務めた林陵平氏は「決めたかったですね。利き足が右だったので右のアウト(サイドシュート)を選びました。通常なら左足(でシュート)ですけど、時間がないので瞬時に反応しましたね」とT.デイヴィスのフィニッシュを解説した。
“全エヴァトニアンが泣いた”シーンについてABEMAのコメント欄も「奇跡のようなクロスバー」「当てる方が難しいだろw」「入ったかと思った」といった言葉が並んだ。
今季初開催のマージーサイド・ダービーは、お互いに決定機をつくり出しながらも両GKの好守が光りスコアレスで終了。勝ち点1を分け合う結果に終わった。
(ABEMA/プレミアリーグ)