【プレミアリーグ】アーセナル2-1アストンヴィラ(日本時間9月1日/エミレーツ・スタジアム)
ボールは無情にも冨安健洋の目の前を通り過ぎ、ゴールに吸い込まれた。アーセナルが同点に追いつかれた場面がリプレイで何度も映し出されると、中央の冨安がなす術なく見送るシーンがクローズアップされ、“6度見”した後、無情にも失点が確定した。
冨安は、今季4回目の出場で最も早い時間帯、64分にピッチに立った。その10分後、まさか自身の目の前をボールが通過して失点するとは思いもしなかっただろう。
アストンヴィラが獲得した左CKのキッカー、ブラジル代表のドウグラス・ルイスが右足で蹴ったボールは、きれいな弧を描きながら誰も触れることなく直接ゴールへ。しかし、アーセナルのGK、イングランド代表・ラムズデールの進路を妨害した選手がいたのではないかと、VARの確認が入った。たしかに、GKの前に入ったフランス代表・カマラが、後ろ手で押さえ込んでいるようにも見える。
そして判定はVARへ委ねられる。VARでの映像が繰り返し流れる間、中央の人物の挙動が目立って仕方がない。冨安のことだ。
ニアのスペースを守るために陣取った冨安の目の前をボールが通過していく。画面向かって右から左へ、冨安はボールの軌道を追いながら何度も首を振っている。1回、2回、3回、4回、5回、6回……リプレイが繰り返されるたびにゴールインするボールの行方を追いかける。もちろん、何度見ても結果が変わることはない。
まるで冨安が見送ったシーンに焦点を当てて検証しているような映像は7回目で停止し、視聴者も思わず「冨安スルーwww」「トミースルー」とリアクションした失点シーンは、日本代表選手の“6度見”も虚しく、審判がゴールを認定した。
もしかしたら冨安なりに、“ほぼ無関係な”失点の責任を感じたのかもしれない。冨安はその直後のプレーで守備から攻撃へと切り替えるプレーのなかで、この試合の決勝点となったゴールの起点となり、2-1での勝利に貢献。アーセナルはこれで、開幕から全チームで唯一の5連勝を飾り、文句なしの首位を快走している。(ABEMA/プレミアリーグ)