小学生に“食肉処理される牛”の写真、ヴィーガン活動の手法に疑問の声も 適切な“訴え方”を当事者と議論
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「大人が何を隠しているか、どうか知ってください」
「肉を食べるということは動物を殺してくださいということです」

 都内の小学校の前で、登校する児童に向かってパネルを手に声を張り上げている人たち。これは、肉や魚、牛乳、ハチミツなどを食べない完全菜食主義者“ヴィーガン”を主張する人たちが、子どもたちにその意義を伝えるための活動だ。

【映像】小学校前での“ヴィーガン”主張の様子

 しかし、パネルには食肉処理される血まみれの牛の写真が。さらに、学校の塀にも血を流す豚や鳥の写真が並べられ、「ヴィーガンになろう。搾取から脱却しよう」という呼びかけも。

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 今回の活動にネットでは「ヴィーガンの方がいてもいい。でも、やり方がよくない」などと疑問に思う意見が多くあがった。主義主張が適切に伝わるためにどうすればよいのか。6日の『ABEMA Prime』では、実際に活動を行った弁護士でヴィーガン活動家の箱山由実子氏と議論した。

 小学校前で実施した経緯について、箱山氏は「この学校ではヒラメをみんなで育てて、多数決で食べるかどうかを決めるという、いのちの教育の授業が行われた。50人の児童のうち16人が反対して、中には泣いている子もいたと聞いている。魚であっても、多数決をとって実際に殺して食べるという授業はいかがなものかなと思った」と説明。

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 学校に対しては事前に、「動物を殺して食べていることに関する授業をしてほしい」「私が考えた方法で学校の中で伝えさせてほしい」「ヴィーガンの給食も選択肢として導入してほしい」という3点を要望したが、足立区からはすべて却下されたため、今回の行動に移したという。

 「こういう活動を5年くらい前から、『肉フェス』の会場前などでもやっている。パネルを前に、中学生や高校生は“ふーん”と笑っていたり、“ぎょえー”といった反応だが、小学生やもっと小さいお子さんは立ち止ってじーっと見ている。『パパこれ何?』と真っ直ぐ向き合われて、『これから食べる肉だよ』と親から聞くと、『かわいそう』と。食べ物がどういうふうに作られているのか、小さいうちから知って生き方を選んでいただきたい」

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 この主張に対してタレントの田村淳は「僕は5歳と2歳の子どもがいて、性教育も今からしているが、大人と同じような教え方はしない。理解できるような言葉に落とし込むとか、図柄を使うようにしている。食育も本当に子どもに伝えたいのであれば、子ども目線に立った活動をしないといけない」と指摘する。

 箱山氏は「動物が殺されているという“真実”を伝えたい。主義主張の押しつけということだが、私は食べるなとは思っていない。ただ真実を知って、お子さんであっても自身の真心や良心に基づいて食べるか食べないかを選んでいただきたい。これは義務教育で教えないといけないことだと思っている。食肉処理の場面をしっかりと映像で撮って、ただただ見せる。イチゴやリンゴをもぐのと同じように、それが真実だから」と答えた。

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 元参議院議員でEGGS ’N THINGS JAPAN株式会社代表取締役の松田公太氏は「ヴィーガンは大きく3つに分かれて、1つは箱山さんみたいに“とにかく生きているものは食べてはダメだ”という考え方。もう1つは“地球環境のために食べるべきではない”という考え方。最後が、“自分の健康のためにそうしたい”というもの」とした上で、「私もヴィーガンのお店をつい先日始めたばかり。ここに来る人たちに対して、例えば“動物がこういうふうに殺されているから見てよ”と言うよりも、“体に良いからぜひ食べてみないか”“おいしいから食べてみないか”というアプローチのほうが、むしろ賛同する人は増えるのではないか」と提案する。

 箱山氏は「私の考えとしては動物への思いやりだ。導入は美容や健康、もちろん地球環境でもよろしいが、やはり搾取していることによる動物の苦しみというものは知っていただきたい」と訴えた。

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 活動の様子は動画で撮影されていたが、その様子を振り返って箱山氏は「私のやっていることはヴィーガンの中で過激なほうかもしれない。一方で、血や残酷なものは一切見せず、とても穏やかで平和的なイメージを全面に押される人もいる。本来、ヴィーガンの世界はそういう静かな活動で、今回はやむを得なかった。流血しているものを控えたらどうだろうかとか、私もいろんなやり方をしようとは思っている」と述べた。(『ABEMA Prime』より)

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