“男女がおしゃれに着られるセーラー服”「既存の価値観を変えたい」日本障がい者ファッション協会・代表理事が目指す“世界で一番のファッション”
セーラー服を着こなす男性
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 男女どちらでもおしゃれに着ることができるセーラー服がネットで話題になっている。製作に携わった日本障がい者ファッション協会・代表理事に“服への思い”を聞いた。

【映像】セーラー服を着こなす男性

 日本障がい者ファッション協会と兵庫教育大学のコラボ企画「ミライの制服プロジェクト」で製作された“男子でも着やすいセーラー服”がTwitterで拡散され、話題を集めている。

 男性が着用するセーラー服の写真をTwitterに投稿した、日本障がい者ファッション協会の代表理事・平林景さん。このセーラー服を作ったのは、2021年のころだったという。

「(2021年は)女性が制服を選べるようになりつつある時期だったんですね。そのときに『男子の制服って選べないよね?』という単純な疑問があり、男女どちらでもアクセスできるセーラー服を作ってみたら面白いかもしれないと思いました」

 スラックスを選べる女子に対し、男子はスカートを選べる場合が少なく、世の中への問題提起をしたかったと話す平林さん。トップスの丈を短くし、足が長く見えるようにしたり座ったときにプリーツの中がきれいに見えるなど、男女どちらが着ても似合うデザインに仕上げたというデザインのこだわりを明かした。

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 平林さんが「男女どちらが着用しても似合うデザインにした」と語るセーラー服。そして、このセーラー服にはもう一つの大きな特徴があるそうで、それは、車いすユーザーでもおしゃれに着こなせるということだという。

 「車椅子の方でも座ったときに中のプリーツが綺麗に出てくる。立っている間はプリーツの中は見えないのですが、動いたり座ったりすると中の色が出てくる仕組みになっています」

 一般社団法人日本障がい者ファッション協会の代表理事という顔を持っている平林さん。障がいを持っていても気軽に手に取れる服を作りたい。そんな思いから2019年に団体を立ち上げた。その背景には、車いすユーザーから言われたある言葉があった。

「自分が着たいなと思った服を手にとっても独りで着られへんことが結構あるという話をされて『おしゃれは諦めた』と言われたんです。すごくモヤっとしました」

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 おしゃれは諦めた。そう言われた平林さんは、年齢や性別、障がいの有無に関係なくおしゃれを楽しめるブランドを立ち上げるなど、様々な活動を行ってきた。そして、現在平林さんには大きな目標があるという。それが、車いすユーザーたちによる、パリコレでのショーの開催だ。流行の最先端であるパリコレでショーを行うことで、既存の価値観を変えたいという思いがあるという。

「『障がい』ってどうしてもネガティブなイメージがあるじゃないですか。可哀想とか助けてあげなきゃいけないとか、ネガティブに見られるのではなく『逆にこのファッションが今、世界で一番かっこいいかもなぁ』と思ってもらえるような“ひっくり返せる能力”があるのはないかと思っています。(ショーを)やるんだったら、世界最高峰のパリコレでやるのが一番面白いんじゃないかと思ったんです」

 現在、クラウドファンディングには目標の2倍となる600万円以上の支援が寄せられ、平林さんの夢を乗せたファッションショーは、9月27日、パリで開催される。

(『ABEMAヒルズ』より)

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