「倒れない男」を一撃で粉砕。衝撃のKOシーンに魔裟斗は「布石を打っていた」「完全に入っている」とただただ感嘆した。
9月11日に横浜アリーナで開催された『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~よこはまつり~』。武尊が返上したベルト。文字どおり“K-1 NEXT”を争うスーパー・フェザー級王座決定トーナメントの準決勝で、レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO)と武尊の盟友である大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が激突。試合は3ラウンド、目の覚めるような飛びヒザでレオナが勝利。K-1随一の「倒れない男」が喫した予想外の一撃ダウンに「あの大岩が…」「まさかの初ダウン」と視聴者が騒然となった。
大岩はアダム・ブアフフ、レオナはアヤブ・セギリと未知の海外勢を下しての準決勝進出。大岩にとっては、ジムの盟友でこの日のセコンドを務めた武尊が返上したタイトルを継承するための重要なトーナメントだ。一方のレオナも武尊との直接対決で敗れたものの「K-1の未来を託された男」として注目されている。まさに実力者同士の一戦だ。
1ラウンド、長身を生かしたレオナがジャブや打ち下ろしのパンチで圧を掛けると、大岩は強引に前へ出て“カーフ”を狙ってレオナの動きを封じにかかる。2ラウンド、さらに圧をかける大岩に対し、足を使いながらひたすらジャブでさばいていくレオナ。カウンターで一発狙いの大岩に対して、下がりながらのボディ、ヒザは効果的だ。そんなレオナの落ち着いた試合運びにABEMA解説の魔裟斗は「レオナは全て見えてますね」と指摘。しかし、試合は両者ともに決定打を欠き最終ラウンドへと突入する。
しかし3ラウンド、決着の瞬間は唐突に訪れた。開始早々、左のジャブ、そして左フックを仕掛けたレオナが目の覚めるような飛びヒザ。鈍い音が響いた次の瞬間、「倒れない男」が大きく後方に崩れ落ちた。まさかの光景に場内は騒然。実況・矢野武アナウンサーが「目が飛んでいる!」と絶叫した戦慄のシーン、魔裟斗も「いやあ、今まで出さなかったフック。後頭部を掴むように右ヒザ、完全に狙ってましたね」と続け、一撃で仕留めたレオナに感嘆した。
今まで「KO負けを知らない男」「倒れない男」として知られてた大岩が喫した衝撃の失神KO負けに対して視聴者からは「あの大岩が…」「大岩がKO負け?「ダウンしたことないのに」「初ダウンだよな?」と騒然となった。
一度首を起こすも生気のない表情で力尽き、無情のゴングを聞いた大岩はダウン後も足を広げたまま大の字でピクリともしない。スロー映像でも、前の2ラウンドで見せ続けた左ジャブと見せかけ意識を散らしての見事なコンビネーションのヒザがアゴにグサリ…。その後、立ち上がった大岩だったが、駆け寄った武尊の声掛けにも「心ここにあらず」という表情でリングを下りた。衝撃の瞬間について魔裟斗は「布石を打っていた」「完全に入っている」などと述べ、レオナの会心の勝利を称賛。
大岩は試合後「レオナ選手、やられてこういうこと言うのもアレなんですけど、見事だったなって。初めての感覚で今、います」と初のKO負けを振り返り、レオナを素直に称えた。なお大岩を下したレオナは決勝でも躍動。いま勢いに乗る朝久を3-0の判定で下して、第5代K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者に輝き、武尊が返上したベルトをその腰に巻いた。