「初めて起こした火が本当にきれいで」「石斧はものすごいテクノロジー」 “週末縄文人”がゼロから文明を築く意義を語る
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 とある山の中を歩くこと3時間、教科書で見たことのあるものを発見した。それが、「竪穴式住居」。縄文・弥生・古墳時代に広く作られたとされる、半地下式の住居だ。

【映像】週末だけ“縄文的な暮らし”、その様子

 中を覗いてみると、なぜかスーツを着た男性が2人。何をしているのかを聞くと、「寒いので火をたいて温まっているところ。サラリーマンだが、週末だけここに来て縄文的な暮らしをしている“週末縄文人”だ」との回答が。実は彼ら、今話題のYouTuber、その名も「週末縄文人」。

 都会で同じ会社に勤める同期が、週末はスーツのまま山にこもり動画を配信しているという。なぜ、令和の時代にわざわざ縄文的な暮らしをしているのか。12日の『ABEMA Prime』は2人に話を聞いた。

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 「都会に住んでいて、コロナで“リアルにライフラインが寸断されちゃったらどうしよう”“本当に生きていけなくなっちゃうんじゃないの?”という危機感を覚えた。ゼロから文明を起こしてみようという話になった」(文さん)

 彼らがこだわっているのが、現代の道具を使わず自然にあるものだけでゼロから文明を築くこと。

 「人類最初の文明は火だろうということで挑戦したが、3カ月かかった。木に穴を開けて、棒を回して火をつけるやり方はわかっていたものの、自分たちの力がないのか、木の種類が間違っているのかなどいろいろな要素がありすぎて」(文さん)。
 「毎週末、“次はいける、次はいける”と火を起こす日々は楽しくて。最終的についた瞬間の火が本当にきれいで、達成感もすごかった。それをまた味わいたくて、石斧を作ったり竪穴式の家を作ったりできた」(縄さん)

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 この活動を通じて、縄文時代の“奥深さ”を感じているという。

 「僕らは縄文時代に全然到達できていない。縄文式土器は煮炊きのためのもので、火を起こして煮込むことによってあく抜きができてドングリを食べられたりするが、これが作れない。動画でも2回失敗している。住居の中で火をたくのも料理のためだと思っていたが、それだけではなくて部屋が暖かくなる。煙はすごく出るが、虫がいなくなって屋根の内側もコーティングしてくれて、屋根は何十年も持つようになる。(一酸化炭素中毒は)ドアが開いているし床に隙間もあるので全然大丈夫だ」(縄さん)
 「博物館で石斧を見るとむちゃくちゃ感動できる。“これはものすごいテクノロジーなんだ”と。それまでは石を持って木を切っていて、5センチ切るのに30分ぐらいかかっていたのが、石斧を作って切り始めたら10分で切れるようになった。技術が進んでいくにつれてすごく感動を覚えられる」(文さん)

 舞台となっているのは「家族がたまたま持っていた山」(文さん)で、「週末縄文人」以外では“便利な暮らし”もしている2人。

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 「基本的に動画にあるものは全て、自然のものだけでやっている。ザリガニを食べている時は、飲み水も川で、ザリガニもその場で。ただ、今の文明レベルだとそこにあるものだけで週末を過ごそうとすると飢え死にしてしまうので、動画外でのご飯は普通におにぎりを食べたりしている」(縄さん)

 今後は「YouTubeの収入も微々たるものだし、サラリーマンを続けながらこういうことをやるのがいいかな」(縄さん)と言うが、目標はどこにあるのか。

 「いずれは(縄文的な暮らし)全てを完結できるようになるのが一つの目標だ」(文さん)
 「あと3、4年は縄文にずっといるだろうなとか、その後にようやく米が作れるなとか。最終的には江戸時代ぐらいの文明レベルまでいきたいなと思っている。ライフワークのつもりではいる」(縄さん)

(『ABEMA Prime』より)

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