27日に迫った安倍元総理の国葬。Twitterで「納得いかない。欠席します」と表明したのは、立憲民主党の辻元清美参議院議員。欠席に丸をつけた招待状の写真を載せた上で反対の声を上げている。
【映像】なぜ国葬に反対? 辻元清美&小川淳也両議院と田村淳が議論
同じく欠席を表明しているのが、同党で前政調会長の小川淳也衆議院議員だ。「立場を越えて黙って見送るために、むしろ国葬を避け、政府葬・党葬にすればよかった」とツイートした。
国葬の何が問題なのか。20日の『ABEMA Prime』は2人に話を聞いた。
辻元氏が国葬に反対する理由は、「閣議決定だけで国葬を決める、国会を無視した決め方」「内閣府設置法の『国の儀式』は天皇の国事行為のみ」「安倍元総理の功績の判断基準が不透明」の主に3点。その上で、「手続きの面、法的な裏づけ、それからふさわしいかどうかも調査せずに、国葬に突っ走っている」と主張した。
小川氏は、「外交による安倍元総理の功績だけで決めてはならない」「国葬ではなく自民党葬でよい」「国民の慎重意見や反対意見が全く届いていない」といった理由から反対している。そして、「人の弔いでこれだけ国論を二分している。総理大臣、政治家には必ず賛否両論があり、だからこそ国葬として法で定まっているのは天皇陛下の大喪の礼だけ。事件そのものは衝撃だったが、あの雰囲気に飲まれて一番後悔しているのは岸田さんではないか」と推察した。
ライターの中川淳一郎氏は「やるなら安倍さんが亡くなった1週間後くらいにやってしまうべきだった。2カ月以上延ばして、その間に世論もコロナも何が起こるかわからない。エリザベス女王の見事な国葬があった後に、安倍さんの国葬が陳腐に見えてしまうのは間違いないだろう。会場近くではまたデモ隊が出て、“国葬反対”とやっているところをCNNやBBCに撮られる。はたしてこれが日本国にとっていいことなのか。エリザベス女王が亡くなった時に、“世界をあげて悼むべきだ”と言って延期する判断をしたほうがよかった。まさに小川さんが言ったとおり、岸田総理が一番後悔していることだと思う」との見方を示す。
エリザベス女王の国葬と比較されるタイミングになったことについて、辻元氏は「みんなの納得感だと思うが、残念ながら安倍さんの国葬についてはそれがない。安倍元総理が亡くなった時は私もショックで無念だったが、安倍政権時、森友の公文書改ざん問題で亡くなった財務省の赤木さんの死は一体何だったのかと、みんなモヤモヤしている。また、コロナで亡くなった方が今まだご葬儀ができないという社会情勢を鑑みても、対処が不十分だったと当時言われた方を国葬するのか。国民の現状や社会の実態を見ていない証拠だと思う」と指摘。
当初2.5億円と言われていた国葬費用は、警備費などを含めると16.6億円となる見込みだ。小川氏は「海外要人は国葬だから来るのか、国民葬だったら来ないのかというのは大きな論点だと思う。佐藤栄作さんは国民葬で、その後も内閣・自民党合同葬をしているが、海外要人も当然出席している。予算についても、実は合同葬であっても直接経費が2億円で、半分は国費から。国民葬と国葬で大きな差があることにはならない。今回、“国葬だ”と看板をかけたものの全然そんな雰囲気はなくて、国論を二分して終わりではないかと。外交使節もやりようによってはできたはずで、本当に下手を打ったのではないか」と苦言を呈した。
立憲民主党は執行役員全員の欠席を決定したが、野田元総理は出席を表明するなど、党内でも対応が分かれている。
辻元氏は「“執行部は行かない。あとの人はそれぞれの判断で”という決定をしたのは、野田元総理や海江田衆議院副議長、長浜参議院副議長といった立場の方に配慮したのだろう。党でまとまって、“全員行かない”と決めるのもすっきりして見えるが、政策で賛否をはっきりするのとは少し性質が違うところだ。昔の私だったら怒鳴っていたかもしれないが、そこは理解しないといけないのかなとも思う。国葬でなければ、“あの人は行くんだ。この人は行くんだ”とならずに、“静かに安倍さんを見送ろう”となったんじゃないか」と話す。
小川氏は「今回は国葬儀なので、特に我々は賛否とその理由を表明する責任がある。私的に弔う気持ちはみんな一緒だけど、国家的行事としてどうするか。ここをしっかり区別しないと、“ここまで静かにきたからいいんじゃないか”という心理が働く。やはり抵抗すべきところでしておくことはすごく大事だ。状況に合わせて追認したり、諦めたりしていくのは極めて危険なことだ」と主張した。(『ABEMA Prime』より)
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