将棋の里見香奈女流五冠(30)が挑む棋士編入試験五番勝負が9月22日に行われ、第2局で試験官を担当した岡部怜央四段(23)に敗れた。この結果、第1局に続き手痛い連敗。試験合格には五番勝負で3勝が必要なため、史上初「女性の棋士」誕生に向けた挑戦は後がなくなった。注目の第3局は狩山幹生四段(20)と対戦する。
先手番の里見女流五冠は得意の中飛車、岡部四段は居飛車と対抗形の出だしとなった。序盤は里見女流五段ペースで指し進め、積極的に仕掛けていった。しかし、長く難解な中盤戦では岡部四段が堅陣を生かして攻撃を開始。勢いのある指し手で押し返していった。
終盤は激しい攻防戦に。受けに回った里見女流五冠は、豊富な持ち駒を支えに後手の猛攻に対抗。一時は受け切って、優位に立ったかと思われた。しかし、岡部四段は攻撃姿勢を緩めず逆転に成功。最終盤では一気にリードを押しきり、先手陣を制圧した。
終局後、里見女流五冠は「玉頭が一番弱い形で、そこを戦いの場にしてしまった。戦場を縦ではなく横から受けるような感じで対応して行かなければいけなかった。一番大事な受けの部分で間違えてしまって、すごく残念」とコメントした。
この結果で、棋士編入試験五番勝負は2連敗。里見女流五冠は苦しい星取りとなった。3勝すれは合格となり、将棋界で初めて女性の棋士が誕生するが、第3局からは負けられない戦いが続くことになる。次局の試験官は狩山四段が務める。まずは1勝に向けて、「たくさんの方々に注目して応援して頂いていることが光栄。同時に、温かい声援が励みになる。(第3局は)まだ日程は決まっていないですが、しっかり修正して対局に挑めるように精進してまいりたいと思います」と話した。厳しい道のりとなるが、偉業達成に向けて今後も注目の戦いが続く。
(ABEMA/将棋チャンネルより)