「メイウェザーは遊んでいた」「付き合っただけだろ?」そんな声も聞こえる360秒の戦い。しかし2ラウンド残り1分の攻防で朝倉未来はメイウェザーを確実にバグらせ、本気にさせた。
9月25日にさいたまスーパーアリーナで『The Battle Cats presents超RIZIN』が開催され、RIZINスタンディングバウトルール(3分3R・フリーウェイト)で“路上の伝説”こと朝倉未来が50戦無敗、5階級制覇を達成したレジェンドボクサーであるフロイド・メイウェザーと対戦。試合はメイウェザーが2ラウンド終了間際に右のフック、ストレートを計3発叩き込んで朝倉をKO。しかし、2ラウンド終盤には朝倉がメイウェザーを一瞬追い込む場面も作り、MMA選手がボクシングルールで挑む不利な条件下で下馬評を覆す戦いぶりに視聴者から「一瞬、腰を引かせた」「よく頑張った」など健闘を讃える声が多数寄せられた。
朝倉は序盤から右のジャブを意識的に見せながら左フックという形を忠実に実行。攻撃の糸口を探り、広い面積のボディから顔面に強打を当てる戦いを貫いた。
最初のパンチは1ラウンド開始1分。プレッシャーをかけたメイウェザーに対してのボディストレート。距離を探っての右でメイウェザーの拳を触りながら左のオーバーハンドは空を切る。続き右の拳を合わせて、右のストレート。さらにロープ際に圧をかけながらメイウェザーに2発目の左フック。ガード越しだが、メイウェザーを的確に捉える。手応えを感じた朝倉陣営から「(右の)ジャブ、ジャブから合わせて」の声も響いた。
メイウェザーもそんな朝倉の動きに反応、右に合わせるように右ボディ〜カウンターの右ストレートが顔面をかすめるが、体を入れ替え放った2発目の右はスウェイで交わし、フルスウィングの左、右と強振。それでも朝倉が右のジャブ〜左フックとしつこく攻め続けると、幾度かメイウェザーの顔面にかすめる場面を作る。
決定的だったのは1ラウンド終了間際、ボディへの右を伸ばすメイウェザーに対しての右、左の連打。ここは捉えることができずラウンドを終えるが、視聴者も「未来意外とスピードに対応している」「メイのパンチ見えてる」と驚きの声が上がる。
2ラウンド、メイウェザーの右を貰う場面でも右のジャブ。右のストレートを交わして至近距離で左、やや掴みに近いダーティーな連打だがここでメイウェザーの表情が変わる。ギアを上げたメイウェザーは右ストレート、右のジャブを振り払うようにボディに2発。「打ってこい」という表情で、朝倉の右のジャブを攻略、全て反応しやや低く姿勢を崩してから重い右と、明らかに「本気モード」に突入だ。
すると2ラウンド残り1分、ここで朝倉に2度目のチャンスが訪れる。さらに畳み掛けようと右を強振するメイウェザーに対して、右ジャブを外側にポンポンと叩いて、中央へ一発。さらに外側から右を放つとメイウェザーがやや下を向いてガード、そこに左のフックが浅く入ると後方に下がる。
若干ガードが緩んだところに朝倉が追撃の右、再び左のフックが顔面を捉える。一瞬だけ"世界のメイウェザー”がバグった瞬間だ。ニヤリとした表情のメイウェザーは、その後も下がりながら朝倉のボディ、さらに右のジャブと次々と被弾するも、残り10秒、右フック、右ストレート、右のショートと的確にまとめ朝倉をリングに沈めた。
試合結果を受け「明らかにメイウェザーは遊んでいた」「やはり格が違いすぎる」という声も聞かれたが、視聴者からは「コナー・マクレガーより善戦したんじゃないか?」「一瞬メイウェザーの腰が引けてたよな」「笑っていた時は効いてたと思う」「よく頑張ったと思う」などその健闘ぶりを称える声が多数を占めた。