先週、警察官のたばこポイ捨て、休憩時間にコンビニでソフトクリームなど、公務員に関する市民の反応、SNS上での投稿が世間を賑わせた。火災を招きかねないたばこのポイ捨ては職業を問わず論外だが、昨今、公務員が何かとやり玉にあがるケースが増えていることも事実。その背景にあるものとは、一体何なのだろうか。
このような状況を受け、ある区役所職員がSNSに投稿した訴えが話題を呼んでいる。
『職員がミニストップの前でソフトクリームを食べてます』ってクレームがあったけど、紅芋ソフトは期間限定で美味しいからいいんだよ(昼休みだよ)」
ABEMA『ABEMA的ニュースショー』では、この投稿者に取材を行った。そもそも、この“ソフトクリーム”問題は今月12日まで遡る。
投稿者によると「職員がミニストップの前でソフトクリームを食べています。サボってるんじゃないですか?」と告げ口をするかのような内容の電話が区役所に入ったのは今月12日、午後1時30分ごろ。クレームをつけられた職員は、区役所の出先機関に勤務する投稿者の友人。この日、友人は「昼当番」を終え、午後1時から休憩に入っていたのだという。昼当番とは、昼休みの来客に対応するシフトで、正午から午後1時まで勤務し、その後、時間をずらして休憩を取る仕組みだ。つまり、友人はサボっていたわけではなく、正規の休憩時間中だった。
今回のようなクレームが入った場合、区役所では昼当番の事情を説明するようにしているそうだが、あえてSNSで発信した理由について、投稿者は「理不尽なクレーム。公務員を人と思わないような言いぶりは日常茶飯事で、若手や民間からの転職組は精神が消耗しています。住民の声を聞き、住民自治を支援する立場にある公務員ですが、こうした声にはとらわれなくていいのだという思いがありつぶやきました」と説明した。
先月には埼玉県東部消防組合の福田哲也消防局長が「救急車が止まっていると、さぼっているんじゃないかという批判がツイッターなどのSNS上であったりして、隊員はどことなく躊躇してしまう」と話し、コロナ禍で休憩が取れない救急隊員が制服姿のままコンビニで飲み物を買ったりするだけで「サボっている」と見られ、炎上の対象となるため食事もトイレもままならない窮状を訴え、救急隊員たちの一時的な休憩について市民に対して理解を求める場面も見られた。
一連の話を受け、千原ジュニアは「制服だから色々思われることもある」と職員の休憩などには理解を示しつつ「ポイ捨てはちょっと」と疑問を呈した。
ジャーナリストの山路徹氏は「消防署の話はせつない。なぜそんなに言いたいのか」と首をかしげると「そこが今の世の中をダメにしている」とも。すると千原ジュニアも「SNSに書き込まれたことに過剰に敏感に反応しすぎではないか。『言う人は言う』ぐらいで、こうしてニュースに取り上げられるから我々も知るわけで。反応しなくてもいいのでは」と応じた。
一方、脚本家のマンボウやしろは「一つのつぶやきがこうしてニュースになる可能性を考えると、過剰になる人も出てくると思う」と発言。さらに「根本的に山路さんがおっしゃるように何かを言いたい、何かを突っつきたいというのは恐ろしいこと」とも述べ、こうした風潮が広まることに懸念を示した。
すると山路氏は「世の中を反映している。景気がいいと、そんなことはない。SNSのあるなしに関わらず、バブル時代には社会的批判はなかった。ところが今は不景気。コロナ禍で鬱憤もある。そうすると社会を反映してストレスで言う人も出てくる」と持論を展開。続けて「そこは自分を強く持っていただいて、抑制的になって欲しい」とも訴えた。
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