開始52秒、右ストレート→戦慄の右ハイのたった2発でレフェリーストップによるTKO決着。衝撃的な幕切れに「ノー、ノー、ノー」とレフェリーに食い下がる敗者の叫び声が場内に響き渡った。
9月29日にシンガポールでONE Championship『ONE 161』が開催され、ローマン・クリークリャ(ウクライナ)とグート・イノセンテ(ブラジル)が対戦。試合はクリークリャが右のパンチ、ハイキックの2発で52秒で圧巻のTKO勝ちを収めた。わずか2発の攻撃に秒殺されたイノセンテが試合続行をアピールするも、視聴者からは「止めて正解」「もし3発目を貰っていたら」とレフェリーの判断を支持するコメントが並んだ。
ヘビー級キックのトーナメント準決勝。「デカイのに速い」大きなフレームで次々と相手をなぎ倒す優勝候補筆頭のクリークリャと、いままで無双状態だったラーデ・オパチッチをボディショットで沈めて下馬評を覆したイノセンテの対戦。
試合序盤、ひと回りフレームの大きなクリークリャはローを飛ばしつつ、イノセンテの一発を警戒する慎重な入り。イノセンテの低空のローにミドルで返すと、次の瞬間、右ストレート一閃すると「グシャっ」と鈍い音と共にイノセンテの巨体が前のめりにダウン。「たった1発で…」「この階級はワンパンだな」と驚きの声が殺到した。
なんとか立ち上がったイノセンテだが、ダメージは大きい。グッと四股を踏むようなポーズでダメージに耐えながら試合に復帰する。しかし再開直後、クライマックスは早々に訪れた。
クリークリャの長い脚から放たれた右ハイがイノセンテの顔面を直撃。一瞬、巨体が揺らいだところにレフェリーのイライアス・ドラプシスが駆け寄り、「もうダメ、ダメ」と手を振って試合を止めた。この決定に納得のいかないイノセンテは「ノー、ノー、まだやれる」と大声をあげてレフェリーに詰め寄ったが、判断が覆ることはなかった。
そんなイノセンテの様子に「これは止めるわ」「止めて正解」との声が殺到。それでもまだ納得いかない様子のイノセンテに対して、対戦相手のクリークリャが歩み寄ると、なだめる姿も確認できた。
とはいえ、52秒の衝撃的なTKO勝利。ファンからは改めて「3発目を貰っていたら死んじゃう」「立っている時点で奇跡レベル」「足にきてた。危なかった」といった声が寄せられていた。