野球の日本代表「侍ジャパン」は10月4日、都内で行われた記者会見で11月に行われる4試合の強化試合に向けて、メンバー28選手を発表した。初選出は投手13人中10人、野手15人中5人の計15人。今年4月に完全試合を達成した佐々木朗希投手(ロッテ)、史上最年少での三冠王に輝いた村上宗隆内野手(ヤクルト)ら、20代ながらも球界を代表する活躍ぶりを見せる選手が顔を揃えた。全28選手の平均年齢は25.5歳。今後、経験豊富なベテランや大谷翔平投手(エンゼルス)らMLB所属の選手の動向も気になるところだが、栗山英樹監督は「本当に若くても力がある人ばかり。(強化試合は)若い人だから、とかは一切ない。ジャパンの代表選手も過渡期にあるんだと、後から気がつきました」と、若き侍たちに大きな期待を寄せた。
セ・リーグ、パ・リーグともに最終盤まで優勝、クライマックスシリーズ進出を争うほど、激しい戦いになった今シーズン。戦い抜いた各チームの主力選手を集めて戦う栗山監督も「疲れ切っているシーズンの後、大変だと思います」と気遣う中、チームを通じて打診をした選手からは、それぞれ参加の返事が来たという。選出された選手には、両リーグのタイトルホルダーであっても漏れている者もいるが、コンディションを中心にヒアリングを行い、「先のことは考えず11月に勝てるメンバー」として、28人を選んだ。当然、この4試合が来年3月に行われるWBCに続くものであることは間違いなく、試合を通して選手たちの積極的なアピールを歓迎する。
投手なら先発、中継ぎ、抑え、野手であれば複数ポジションと、どんな役割でも可能な限りこなせるようになってほしいというのが栗山監督の意向だ。短期決戦だけに、打撃の調子がいい選手のポジションがかぶった際、打撃を優先に考え、普段は守らない位置を任せるオプションも必要になる。「どのポジションもやってもらわないと困るということは伝えますし、誰でもバントしないといけないケースも出てくるということだけはお願いしようと思っています。チームが勝つという大前提のもとに、自分がどういう役割をするかも、ぜひ見せてもらいたい」と、自発的な動きも求めた。
ベテランになるほど、所属チーム内での役割も明確になっている中、平均年齢25.5歳という若い選手たちであれば、できることの幅も広がってくる。投手13人中10人が初選出で、平均年齢は23.7歳とさらに若い。WBCは球数制限もあり、普段以上にリリーフの出来が勝敗に直結しやすい。「日本の特徴はブルペン。(普段は)長いイニングを投げているけど、イニングの頭からならピシャっといけるピッチャーもいる」と、4試合という限られた時間の中でも、いろいろなことを試していく構えだ。
若手にはない経験、技術でチームを牽引するベテラン、MLBという大きな舞台で活躍する選手も、この若い侍ジャパンに刺激を受けて、3月に向けて気持ちを高めてくるようであれば、栗山監督としては大成功。まずはこの28人でも十分に世界の強敵を相手に戦えると思われるほどの試合を目指す。
【侍ジャパン強化試合メンバー】☆印は初選出
◆投手
☆佐々木朗希(ロッテ)、☆森浦大輔(広島)、☆高橋宏斗(中日)、☆大勢(巨人)、☆宮城大弥(オリックス)、伊藤大海(日本ハム)、森下暢仁(広島)、☆戸郷翔征(巨人)、今永昇太(DeNA)、☆山崎颯一郎(オリックス)、☆与座海人(西武)、☆高橋奎二(ヤクルト)、☆湯浅京己(阪神)
◆捕手
森友哉(西武)、甲斐拓也(ソフトバンク)、中村悠平(ヤクルト)
◆内野手
山田哲人(ヤクルト)、源田壮亮(西武)、☆牧秀悟(DeNA)、岡本和真(巨人)、☆中野拓夢(阪神)、村上宗隆(ヤクルト)
◆外野手
周東佑京(ソフトバンク)、☆近本光司(阪神)、☆佐藤輝明(阪神)、近藤健介(日本ハム)、☆塩見泰隆(ヤクルト)、西川龍馬(広島)
(ANNニュース)


