自衛隊セクハラ 被害受けた元隊員の訴え「根本的な改善を」 元女性幹部「男女ではなくリーダーシップの問題だ」
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 「これまで長く苦痛を受けられている五ノ井さんに対し、陸上自衛隊を代表して深く謝罪申し上げます。まことに申し訳ございませんでした」

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 日常的なセクハラがあったと認め、謝罪した防衛省。五ノ井里奈さんは陸上自衛隊在籍中に、上官らからの性被害を告発し調査を訴えていた。

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 防衛省は9月、セクハラ・性被害の実態や事実の調査のため「特別防衛監察」を実施。約100人に聞き取りを行い、訓練時や演習場の宿泊施設などで、性的な身体接触や発言があったことを認めた。調査結果と謝罪を受け、五ノ井さんは「私は夢を持って陸上自衛隊に入隊したので、今こうやって(性的被害が)認められたというのは本当に遅いと思っている」と涙ながらに訴えた。

 自衛隊における女性隊員の割合は8.3%で、佐官以上の幹部となると4.2%。まだまだその割合は少なく、男性が圧倒的に多い状態となっている。内部の環境について、5日の『ABEMA Prime』は五ノ井さんらとともに議論した。

■元隊員の五ノ井さん「女性、男性の両方が働きやすい環境になってほしい」

 会見で「遅い」という言葉を口にした経緯について、五ノ井さんは「これは1日あれば終わっている話だ。私が求めているのは謝罪。口裏合わせがあったり、隠ぺいがあったりでこれだけ長引いて、大事になって再調査が行われて、事実が認められた。調査を最初の段階でやっていれば私は辞めなかっただろう。どれだけ最初の調査を疎かにしていたかというのが今回でわかったと思う」と話す。

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 また、「声があがるだけではなくて、その先に解決がないと意味がない」とし、「加害者の人たちにはもちろん謝罪してほしいが、告発したもう1つの目的は根本的な自衛隊の改善だ。今までにもこういう事例、セクハラやパワハラをされて訴えて、裁判で解決したというのもすごいことだが、私としては新隊員の女性、男性の両方が働きやすい環境になってほしい」と訴えた。

 五ノ井さんによれば、「私の部隊は入る前からセクハラ、パワハラが多いと言われていたが、TwitterのDMでもたくさんの人から『私も被害に遭った』、男性の方も『パワハラに遭った』とかなりの件数が来ている」「訓練は男女平等で行われていたものの、終わってからお酒を飲んだりした時に羽目を外してしまう人がいる」という。

 「全自衛隊員がこういうわけではなくて、本当にすばらしい職業だと思っている」とした上で、「『こういう被害にあった』と女性に伝えても、『これぐらい普通だよ』という答えが返ってくることもあった。それは麻痺している状態なので、どこまでがセクハラでどこまでがパワハラなのか、全隊員に対してハラスメントをもう一回しっかり教育する必要があると思う」と話した。

■元1等海佐「男女ではなくリーダーシップの問題だ」

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 今回の問題について、海上自衛隊元1等海佐で竹本教育研究所代表の竹本三保氏は「私が入ったのはまだ男女雇用機会均等法も定まっていない頃のこと。元来が男性社会だし、その意識がある中に突っ込んでいった。当時は“女の子が何しに来たの?”というような全体の雰囲気だった。私は幹部候補生として入ったが、隊員の中には五ノ井さんのように辛い思いをされた事例があったことは間違いない。この期に及んでもまだあるのかというのが明るみに出て、ちょっと唖然とした」と話す。

 構造として女性幹部が少ないことが背景にあるのか。「学校の校長もやったことがあるが、いじめの体質と似ていると思う。組織のトップ、自衛隊でいうと部隊指揮官あるいは部の長になるが、その人が覚悟を決めて芽の小さいうちにきっちりと洗い出して止めさせないと難しい。男女の問題ではなく、要はリーダーシップの問題だ」と指摘。

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 その上で、「今回は陸上幕僚長が自ら謝られた。一緒に勤務したこともある方で、これから大鉈を振るわれるのではないか。そこに期待したい」と述べた。(『ABEMA Prime』より)

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