「免許証をA4まで拡大コピーして、貼り付けてある。それで名前をまず把握する」
 41歳の時に心筋梗塞で倒れた大庭英俊さん。一命を取り留めたものの脳が損傷し、記憶障害になった。大庭さんは過去の記憶のほとんどを失い、また今日起きた出来事も、翌朝には忘れてしまう。そんな日常を16年間続けている。