コンパクトにアゴを捉えたパンチの衝撃。一度は立ち上がりニヤッと不敵な笑みを浮かべるも、予想外のレフェリーストップに愕然。試合後には意識朦朧とした様子でリングを歩き回る様子に「記憶が飛んでいる…」など心配の声が続出した。
10月15日に東京・大田区総合体育館で開催された「RISE WORLD SERIES 2022」。中村寛(BK GYM)とチャンヒョン・リー(韓国)の対戦は2ラウンド左右のフックをまとめたチャンヒョンが中村をKO。見た目はのび太くんの現RISEスーパーフェザー級王者が圧倒的な強さを見せつけた。
ここ数年のコロナ渦でタイトル防衛戦から遠のいていたチャンヒョン。7月の復帰戦では暫定王者の一馬をKOし、健在ぶりをアピールした。一方、チャンヒョンがRISEリング不在の間に台頭してきたのが、人獣ことDEEP☆KICK王者の中村だ。「THE MATCH」ではK-1のレオナ・ペタスに判定勝ちし、存在感を高めている。
試合開始序盤から左ミドル、左ストレートを武器に積極的に前に出る中村だが、チャンヒョンの右ミドルがローブローになり試合が中断。試合再開後もミドルと強い打撃で中村が試合の主導権を握るが、後半チャンヒョンもパンチをまとめ互いに決定打はなくラウンド終了する。
2ラウンド、チャンヒョンが一気にプレッシャーをかけ中村がロープを背にする場面が目立ち始める。逃げ場のないコーナーに追い詰めて右ハイを見せると左フック、右ストレートと固め打ち。これらを被弾した中村は、コーナー際で腰砕け状態に。なんとか持ち直して組みつく中村は必死に左を当てて反撃に出るが、チャンヒョンは冷静に対応。コンパクトなパンチを当て、さらに左右のフックを振り抜くと中村が前のめりに崩れ落ちた。
カウントを聞きながらゆっくりと立ち上がった中村。ロープに持たれながら不敵な笑顔を浮かべてNoダメージをアピールしたが、レフェリーが試合続行不可能と判断してゴングを要求した。「まだやれる」と立ち尽くす中村だが、意識朦朧とした表情に力はない。まだ闘争本能だけは残っているのか、セコンドがなだめる様子もみられた。