腕が折れそうなのに止める素振りを見せずに静観するレフェリーに戦慄。「もうタップしろ」「折れる」「怖いよ」など悲鳴にも似た声が視聴者から上がるなか「タップはしませんけども、結構危険だと思います」と実況も驚き。さらに“まさか”の展開に「何で耐えられたのかわからない」と思わず困惑する一幕が注目を集めた。
10月21日にマレーシアで開催されたONE Championship「ONE 162:ZHANG VS. DI BELLA」で、レアンドロ・イッサ(ブラジル)とアルテム・ベラー(ロシア)が対戦。序盤イッサが寝技で圧倒するも、後半の打撃戦でベラーがイッサを大流血に持ち込んで判定勝ちを収めた。激闘の中、最も注目を集めたのは「100%完璧に極まった」腕十字で腕が“あらぬ”方向に持っていかれ、視聴者からは悲鳴が上がったシーン。そして、最後まで極めきれなかったイッサの「心の迷い」も話題となった。
柔術世界大会優勝の実績を持つ38歳のベテランであるイッサとONEデビュー戦となるロジア人のベラー。両者とも柔術のバックボーンを持つ選手の対決となった。
序盤はイッサが試合をコントロールするも決め手を欠く展開。すると2ラウンド後半に決定的な瞬間が訪れる。マウントポジションから腕十字を狙ったイッサ。ベラーの腕がピーンと伸び切り、さらに逆方向に曲がり始めるとABEMA視聴者から「折れるぞ」「これはどうにもならない」「怖いよ…」と悲鳴のような声が殺到した。
完全に極まり腕が関節部分からグニャリのシーンに「なんでレフェリーは止めないんだ」「もうタップしろよ」といった声も聞こたが、この試合をさばいたのはUFCでもレフェリーを務める“止めるのが遅い”でお馴染みのハーブ・ディーン。この試合もじっくりと成り行きを見守るスタイルを貫いていく。
静観のハーブ・ディーンをよそにベラ―の伸びきった腕は明らかに危険水域。と次の瞬間、ベラーは巧みなブリッジを駆使して完璧な腕十字からするりと脱出してみせた。あまりにも呆気ない脱出劇に視聴者も「え?」「まじかよ」「今ので決まらないの?」と唖然。この日のABEMA実況・西達彦アナウンサーも「なんで耐えられたのか知りたいですね」と驚いたリアクションを見せた。
その後、腕十字の脱出劇を受けてやや心が折れたか、イッサはヒザ蹴りをモロに被弾し頬をパックリとカット、続いて目の上や額なども次々とカットするなど大流血。寝技で試合序盤を圧倒したにも関わらず判定で逆転負けを喫した。
ゲスト解説の岡見勇信は「イッサ選手も(最後まで極めることを)躊躇していた部分、”もうタップするだろう“という気持ちもあったのかなぁ」とイッサの優しさが敗因と指摘。すると視聴者からは「甘かったかなぁ」「折りたくなかったんだろうな」「他の選手だったら折っていたな」といった意見や、エグい角度に曲がる腕十字を耐え抜いたベラーと、大流血の中激闘を繰り広げたイッサに対する「お互いに折れない心だった」「本物の格闘を見た」といった称賛の声が多数寄せられた。
(C)ONE Championship