10月22日、マレーシア・クアラルンプールのアクシアタ・アリーナでONE Championship『ONE FIGHT NIGHT 3』が開催され、元シュートボクシング日本スーパーバンタム級王者の内藤大樹が、フライ級ムエタイマッチでアミール・ナセリと対戦した。
内藤は2019年からONEに参戦。4連勝後、2020年12月に元ONEムエタイ世界フライ級王者のジョナサン・ハガティーに判定負けを喫したが、昨年9月には元ONEキックボクシング世界フライ級王者のペッダム・ペッテインディアカデミーに判定勝ちの殊勲の星を上げる。しかし今年5月に出場したONEムエタイフライ級ワールドGPでは準々決勝で、優勝候補の一角スーパーレック・キアトモー9に判定負けを喫した。ONE戦績はここまで6勝2敗。今回が再起戦となる。
対するイラン出身でマレーシア在住のアミール・ナセリは、ムエタイとキックボクシングを合わせて29勝6敗1分の戦績を残し、タイのオムノーイスタジアム王者にもなっているムエタイの強豪選手。今年5月のONEムエタイフライ級ワールドGPでは、内藤同様、準決勝で敗退しており、こちらも再起を期しての一戦となる。
1R、内藤は前に出てくるナセリを前蹴りで突き放しながら左右のローキックを当てていき、ラウンド終盤には右ハイキックもヒットもさせて試合を優位に進めていく。
2R開始早々、内藤はナセリの前蹴りをキャッチすると軸足にローキックを入れて転がす。そして1Rと同様に、ローキックをコツコツと当てていく。ナセリはパンチを強振するが内藤はそれをかわし、さらに前に出る相手にカウンターの左フックをヒット。
そして最終3R、ナセリは劣勢を挽回すべくさらに前に出て、パンチを強振しハイキックを狙うが、内藤はそれを冷静にさばきながらローキック。残り40秒で逆転にかけるナセリがラッシュをしかけ、右アッパーがヒット。さらに首相撲からボディにヒザ蹴りを連発し内藤を転がすが、ナセリの反撃もここまで。途中、カウンター狙いの内藤に対しレフェリーからアグレッシブにいくよう注意が入る場面もあったが、内藤が全体的に試合をコントロールして終了。
判定は3-0で内藤の勝利。ローキックでダメージを蓄積させ、ナセリの強打をほぼ完封してみせた。試合後、ケージ内でのインタビューで内藤は、「もう少しパンチでアグレッシブに倒しに行きたかったんですが、今回それができなかったので、次回できるようにしたい。思ったよりナセリ選手のプレッシャーが強くて、プラン変更してカウンター狙いになっちゃいましたね」とコメント。
そして次の目標として「チャンピオンになるために、1試合1試合勝ち続けていきます。キックボクシングのほうも自分はランキングに入ってますし、チャンピオンは防衛戦をやっていないので、そこも狙っていこうと思います」と、ムエタイ、キックボクシング両方でタイトル奪取を目指すことを宣言した。