衝撃のクライマックスは突然やってきた。右のスーパーマンパンチ、さらに左フック。試合開始早々、強烈な連打が炸裂して衝撃の秒殺KO決着。31秒、40秒に続き、今度は30秒。「3戦連続での秒殺KO負け」という不名誉な珍記録に視聴者から驚きとツッコミの声が殺到した。
10月28日に後楽園ホールで開催された「Krush.142」で山崎陽一(KIKUCHI GYM)とアラン・ソアレス(ブラジリアンタイ)の対戦は、開始30秒での秒殺決着。4年前に引退、1年前にカムバックした38歳の山崎が、復帰2戦目で見事な快勝を収めた。一方、ソアレスはKのリングで屈辱的な3戦連続となる秒殺KO負けを喫した。
今年3月の復帰戦では夜叉猿に判定負けだった山崎は、再起を図るべく復帰後Krushでの2戦目。一方、期待の在日ブラジリアンファイターとして鳴り物入りでK-1デビューしたソアレス。しかし昨年9月、K-1ウェルター級トーナメントでは安保瑠輝也に31秒KO負け、続く今年1月の「Krush.133」では近藤魁成に40秒葬と、立て続けに秒殺KO負けを喫するなど、生き残りをかけて後がない一戦だ。
試合開始、そして、試合終了はあっという間だった。右ロー、右ミドルと力強い山崎。切れ味のあるロー、ミドルとテンポよく攻め立てると、開始25秒で右のスーパーマンパンチ、さらに左フックと固め打ち。左のフックがソアレスの右アゴを豪快に打ち抜くと、ソアレスは後ろに倒れ込むようにダウン。その後、硬直気味に体を横向きにしたソアレス。目を見開いて試合続行の意志を見せるも、体はまったく言うことを聞かない。試合続行不可能と判断したレフェリーがカウント3でゴングを要求した。
スローリプレイでは山崎の右に対してソアレスもカウンターの右で対抗。しかし、山崎のなぎ倒すような左フックをまともに受け、マットに頭を強打してフリーズ。安保の31秒、近藤の40秒に続き、今度は30秒。3戦連続秒でのKO負けとなる不名誉な珍記録を打ち立ててしまった。
よもやの結末に場内は騒然。ABEMA放送席も「うわ、はっ、はっ。スゴイ!」と驚き。さらに視聴者からは「目が飛んでた」「ガードできていない」「無防備すぎる」といった反応。加えて「見た目強そうなのに残念だ」「まるでRTA(リアルタイムアタック)」「秒殺職人」といった辛口なツッコミが並んだ。
「引退後に生まれた娘に戦う姿を見せたい」と復帰を決意した山崎。試合後に家族や関係者への感謝の言葉とともに「娘をリングに上げて写真を撮りたいのですがいいですか?」とマイクするも、コロナ渦の状況もありNG。これにはファンも「え?ダメなの?」「かわいそう」とがっかり。当の山崎は「ダメそうなんで…このご時世なのでしょうがないですね」と苦笑いを浮かべた。
この日「勝って娘をリングに上げる」という目標は達成できなかったが、リング下で見守る娘に快勝を届けた山崎。「これからもどんどん強い相手と戦って勝っていきますのでよろしくお願いします」と次戦に向けて力強く意気込みを語った。