今年の始め、1ドル115円台だった円相場は10月21日には一時151円台をつけるなど、約32年ぶりの円安水準を更新した。
【映像】給料は“ドル払い”「リモート出稼ぎ」円安で賃金上がる
終わりの見えない円安に加えて、未だ低賃金にあえぐ日本。平均年収はG7の中で最下位。しかも、30年間ほとんど上がっていない。
そんな「稼げない国」日本よりも、高い給料を求めて「海外出稼ぎ」に興味を持つ日本人が増加。ところがSNSではこんな声が上がっている。
「収入は2倍になったけど生活費も2倍かかってる」
「家賃が今月いきなり200ドル上がりました」
「日本にいた時と生活レベルはそんなに変わらないんだよね。」
日本よりはるかに高い物価、高騰する家賃…収入は上がってもなかなか良いことばかりではないようだ。
そこで、最も理にかなった選択として注目を集めるのが、日本にいながら外貨を稼ぐ「ドル払い副業」。日本で海外の仕事をフルリモートで受注し、報酬はドルで受け取るというものだ。
「基本的な時給は19USドル。ただ今1ドル150円くらいまで円安に振れているので、1ドル=150円で換算すると時給が2850円になる」
仕事の依頼主はオーストラリアに本社を置くIT企業。人工知能や音声認識機能などの精度をあげるための業務を請け負っている。
仕事の量・内容ともに変化はなくても、円安のおかげでくみさんの時給は1年前と比べると約30%アップした計算になる。
「生活コストが安い日本で、円安の恩恵を受けながら外貨を稼げるというのがやっぱり今は個人的に一番良い状況じゃないかなと思う。英語に対して抵抗があったりとか『話せない』と思って苦手意識を持っている方って多いと思うが、一番大事なのはとりあえずやってみようという度胸とか、とりあえず飛び込んでみて走りながら考えていくみたいな。そんな人が稼いでいると思う」
海外の仕事をリモートで請け負う。そんな日本人労働者に企業側も注目している。リモートワークに特化したIT人材のエージェント「Remogu」の関根隆行事業部長に話を聞いた。
「海外の企業からすると、日本のエンジニアにリーチ(接触)しやすくなると思うし、いろんな選択肢が広がるのではと思っている」
世界各国で人材不足が叫ばれているITエンジニア。Remoguの現在の海外案件では、日本のエンジニアに支払われる給料は「円」。
そうなると、働く側にとって直接円安メリットは受けられないが、海外の企業にとっては日本のエンジニアがより雇いやすくなる。その結果、雇用が増える可能性もあるという。
「海外企業の案件もそのまま場所も変えずに働けるので、非常にこれから増えていくかなと思う。エンジニアにとっては色々と仕事の広がりは非常に大きく出てくるんじゃないかなと思っている」
(『ABEMAヒルズ』より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側