菅原美優、初のKO勝利も「物足りない」直後に語った不満 「カワイイ」から「カッコいい」へと進化した23歳が見据えるのは世界
【映像】女子では異例「4度のダウン」で圧巻KO
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 立ち技格闘技イベント「Krush.142」(10月28日、東京・後楽園ホール)のメインイベント。女子アトム級タイトルマッチで、王者・菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)が3度目の防衛を果たした。

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 相手は元保育士で、子供たちとの約束を果たすためにもベルトを巻くと誓っていたチャン・リー(K-1ジム五反田チームキングス)。2人は2019年7月にもプレリミナリーファイトで対戦しており、その時は菅原が判定勝ちを収めたものの、決定打に欠くやや不完全燃焼な内容だった。だが3年という年月を経て、技術・精神力ともに著しく進化。的確なパンチで合計4度のダウンを奪うなど、終始「圧倒」する内容だった。

 中村拓己K-1プロデューサーも「ただ勝って戦績をよくする以上に内容の濃い勝利。今日の結果で菅原選手が頭一つ二つ抜けたと思います」と賛辞を惜しまない。試合後、充実した面持ちの彼女に話を聞いた。

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■初のKO勝利。でも…「まだ物足りない」

――パンチで4回ダウンを奪ってKO。スカッとした勝ち方だったんじゃないでしょうか。

菅原 そうですね、うん……でも正直、自分の中では「もうちょいできたな」ってところが結構ありました。なので、見た人が思っているよりスカッとしてないです。もちろん、はじめてKOで勝ったことは嬉しいんですが。

――前蹴りで自分の距離を保ち、飛び込んできたら力強いパンチで迎え撃つ。スキのない素晴らしい展開でした。

菅原 もっとなにか試せたんじゃないかなとか、終わってから結構浮かんできちゃいますね。そもそもセコンドからは「こういうことをやろう」って言われてたんですが、始まったらほとんど自分のプランで進めちゃって。「左ミドルあるよ!」とか、「右回り忘れてるぞ!」とか、意識づけのために単語で言ってもらってたんですけど、試合になると結局飛んじゃうんです(笑)。

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■「良い相手」だったからこそ良い試合ができた。格上に挑戦もしたい

――3年前のチャン・リー選手との試合では「ただ前に出るだけだった」と、試合内容を悔いていました。

菅原 やっぱり相手あってのことですね。向こうの技術が上がっていた分、自分もそれに応えるように、やってきたことがしっかりと出せたのかなと。チャン・リーさんには感謝の気持ちでいっぱいです。

――そのチャン・リーさんですが、入場時の目つきから、相当気合が入っているのを感じていたんじゃないでしょうか。ダウンを奪っても「目が生きていた」と囲み取材でも話していましたね。

菅原 もう、前日会見の時からめっちゃ思ってましたね。フェイスオフのときドキッとしたぐらい。でも、その目を見て「しっかり受け止めなきゃ」とスイッチが入った感じはあります。やっぱり、良い相手がいてこそ良い試合になるので。

――国内のこの階級では相手が少なくなってきたということもあり、高みを目指そうという気持ちが伺いしれます。「海外の選手ともっとやりたい」とも仰ってました。

菅原 そうですね。それは運営の方にぜひお願いしたいです。いまはベルトを守る試合だけじゃなく……っていうとおこがましいですけど、格上の人に私が挑戦するカードも組んでいただきたいなと。

――たしかに、Krush.女子アトム級の防衛戦は今年だけでも3度です。

菅原 多いですよね(笑)。まあ挑まれる方が「負けたくない」という思いから力も入るし、性格的には向いているのかなとは思うんですが、それに甘んじていても格闘家として成長できないので。

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■素でいられる時間も“格闘技絡み”

――これまでの大会プロモーションではよく「ビジュアル推し」をされていましたが、今回の勝利で、そこからも脱却できる、“強い格闘家”としてのステージにも入ったと思います。

菅原 なんか、いつも勝手にビジュアル担当に仕上げられていますよね。そのせいでアンチとかも生まれて。「こっちからは何も言ってないよ!」って思いながらやってるんですけど、結果が出た分、今後はカッコいい方向性で動画を作ってもらいたいですね。(セコンドの)城戸さんから「“きゅんですポーズ”の次は何するの?」とか茶化されるのも、もうイヤなので(笑)。

――また、菅原選手が“美容師兼業”というのは、もはや広く知られているところではありますが、「勝った翌日は会見などがあるから出勤しない、負けた翌日は普通に出勤」となっているそうですね。

菅原 そうなんですよ。どっちにしろ今日は興奮して寝られないので、明日の出勤は無理ですね。以前、他の選手から「試合後は寝られない」っていうのを聞いていて、デビュー戦終わりとか秒で寝ていた私からすれば、「何言ってるんだろう」って感じだったんですけど、3戦目ぐらいから本当にそうなってきて。最近やっと格闘家らしくなってきたのかなって(笑)。

――ちなみに試合後に行うルーティンはあるんですか?

菅原 あります!ボクシングの試合をいっぱい見に行ってきます。

――格闘技の試合後なのに、すぐ格闘技に触れることができるんですね。

菅原 「素」で格闘技を楽しめる、大好きな時間です。京口(紘人)さん、武居(由樹)くんの応援に行くことは決まっていて、もうルンルンで見てきます。この時間が長く続くように、K-1さんには、もうちょっとゆっくり対戦相手を探してもらいたいですね(笑)。

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