1杯のラーメンを複数人で「シェア」するのは是か非か。茨城県水戸市の「中華そば『いっけんめ』」のツイートを起点に、議論を呼んでいる。
「いっけんめ」店主によると、ある日2人連れの女性客が訪れた。ひとりはラーメン大盛り1杯と、焼きおにぎりを注文したが、もう片方は「他で食べてきたからいらない」と何も頼まない。しかし商品提供後、ふと店主が目をやると、「1杯のラーメン」を分けあっていた。
最安値の「醤油ラーメン」は、名古屋コーチンの鶏ガラをベースにしながら、400円と安価に設定されている。店主は「それをシェアされてしまうと、客単価が半分になる」と嘆く。
「何気にチラッと見たら、かわりばんこに食べていた。それを見た時に『ちょっと違うでしょ』って思った。今後はシェア自体をやめてもらいたい」(いっけんめ店主)
この出来事をきっかけに、店は「今後、食べない方の入店はお断りします」などとツイート。「1人最低1品頼むのは常識。商売なんだから」「実物を見たらおいしそうで、食べてみたくなっちゃったのかな」などの反応が寄せられた。
同業のラーメン店は、複数人でのシェアについて、どう考えているのか。
「1日の30〜40%を占めたら、回転率の問題などもあり考えなければならないが、そんなに頻繁には来られない。前置きとして『ちょっとおなかいっぱいだけど食べてみたくて』くらいであれば問題ない」(東京・中野「タンタンタイガー」東山広樹店主)
「『5人で1杯』であれば、ちょっと違うかなとなるが、2人で1つのラーメンをシェアするのは全然ある。『また来ていただけたらな』というのもあり、『1杯だとうちじゃダメだよ』とはしていない」(東京・浅草「鶏白湯ラーメンゆきかげ」小林龍洋店主)
フードサービスジャーナリストの千葉哲幸氏は、「食べない人が来店する」と客単価が下がるため、ラーメン店など席数の少ない店には厳しいと指摘する。
「高級な素材を使って安く出しても、その証明は食べてみないとわからない。経営者が考えている『飲食店の常識』は客に通じないと考えて、『薄利多売に命を賭けて、1杯400円のラーメン食べてね』のようなノリで臨んだ方が歓迎されるのでは」(千葉氏)
とはいえ「いっけんめ」のラーメンには、並々ならぬ思いが込められている。
「それなりにこだわった食材を使って、いいものを安く提供できるにはどうしたらいいか。それを考えた結果、あらゆる無駄を省いて、極限までコストカットに努めている。ラーメンを大盛りにして、おにぎりも頼んで、1人で食べる女性もいる。でもシェアして食べているということは、その目的で大盛りにしたのかな(と思ってしまう)。普通盛りでいいから、1人1品頼んで欲しい」(「いっけんめ」店主)
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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