喜びも悔しさも「2分の1になるかと思ったら2倍になる」熱き男・中田功八段、愛弟子と狙う頂点/将棋・ABEMA師弟トーナメント
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 師弟で戦うと、ここまで気持ちが高揚するものか。8組の師弟により“最強の師弟”を決める超早指し戦「ABEMA師弟トーナメント2022」が、11月19日から放送開始となる。前回大会も出場した中田功八段(55)は、今回も一番弟子の名人経験者・佐藤天彦九段(34)とのコンビで頂点を目指す。前回は惜しくも予選突破できなかったが、久々に師弟で酒を酌み交わすなど貴重な時間を過ごせた。「チーム戦ということで悔しさも2倍になった。2分の1になるかと思ったら2倍になるんですね」。今年は優勝し、2倍以上の喜びを共有する。

【映像】愛弟子への思いを語る中田功八段

 2度目の出場で、早くも中田八段は熱く燃えている。「勝ちたいという気持ちがもっと強くなりました。前回は勝ちたい気持ちが空回りしました。あとは長丁場で体力が続かなかったですね」と、予選敗退の要因を振り返った。同じフィッシャールールで行われるABEMAトーナメントでも活躍が続く佐藤九段に絶大な信頼を寄せていたが、自身の成績が弟子に与える影響の大きさを痛感した。「私が彼に頼りすぎました。私が先に出て勝てば有利になる。もっと勝ちに貪欲に頑張ります」と、勝負師の血が滾っている。

 戦術に関しても反省点を挙げた。中田八段は駒損を承知で、自ら斬りかかり短手数で決着をつけにいくタイプ。ところが持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算というフィッシャールールは、想像以上に「耐える」ことが必要になる。「粘って接戦にして相手と時計勝負にした方が勝機が出る。私は1回踏ん張られると二の矢がない」。潔く勝負に出るのは中田八段の魅力ではあるが、超早指しという見た目とは裏腹に根気が必要だと分析し、今年の大会で心掛ける。

 弟子を思う気持ちは、大会前に放送される「師匠サミット」やチーム動画でも、とても強くファンに伝わった。弟子と一緒に戦えることの喜びを隠さず、だからこそ1試合でも多く戦いたいというのが中田八段の願いだ。「一戦一戦大事に戦って、戦いながら優勝が狙えるぐらいの気持ちですね。一番を目指せるような気持ちでずっと頑張りたいです。当然、佐藤天彦君と何度もできるわけじゃないので、一番いい成績を残したいです」。1試合勝つごとに喜びが2倍になるとしたら、優勝を果たした際の喜びは果たしてどれほど大きなものになっているだろうか。

◆ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【映像】愛弟子への思いを語る中田功八段
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【放送】ABEMA師弟トーナメント2022・師匠サミット
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【放送】ABEMA師弟トーナメント2022 予選Aリーグ チーム鈴木 vs チーム畠山
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