将棋日本シリーズ JTプロ公式戦の決勝が11月20日、千葉県千葉市の「幕張メッセ 国際展示場」で行われ、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)と斎藤慎太郎八段(29)が対局を開始した。振り駒の結果、先手は斎藤八段に決まった。「こども大会」優勝経験者の両者が、「プロ公式戦」初優勝をかけて激突。“ダブル優勝”の快挙を達成するのはどちらか。
【動画】藤井竜王VS斎藤八段 初優勝をかけた戦い(生中継中)
藤井竜王は、2016年10月に四段昇段。第34期竜王(1組以上:1期)、順位戦A級(A級以上:1期)。タイトルは通算10期で、現在最多の五冠保持者だ。現在、広瀬章人八段(35)を挑戦者に迎えた竜王位防衛戦七番勝負を戦っている。棋戦優勝は5回で、前年のJTプロ公式戦は決勝戦で豊島将之九段(32)に敗れ準優勝だった。4年連続4回目の出場となる今期は2回戦からの登場で、“レジェンド”羽生善治九段(52)とのゴールデンカードを制しベスト4へ。地元・愛知県で行われた準決勝では、稲葉陽八段(34)を破り2年連続で決勝進出を決めた。
斎藤八段は、2012年4月に四段昇段。竜王戦2組(1組:2期)、順位戦A級(A級:3期)。タイトルは王座1期の獲得歴がある。順位戦A級では2年連続で挑戦権を獲得したが、いずれも渡辺明名人(棋王、38)に敗れ、初の名人獲得を逃している。粘りに定評があり、また詰将棋で培った終盤力は棋界トップクラスの実力を誇る。JTプロ公式戦は2年ぶり3回目の出場で、1回戦で木村一基九段(49)、2回戦で渡辺名人、準決勝で永瀬拓矢王座(30)を破り、初の決勝の舞台に立った。
両者は、JT将棋日本シリーズこども大会を小学3年生で優勝した共通点を持つ。藤井竜王は2011年の東海こども大会、斎藤八段は2002年の岡山こども大会を制覇。それぞれプロ入りを果たし、トッププロとなってこの大舞台へ凱旋を果たした。本局の勝者は、「JTプロ公式戦」と「こども大会」とのダブル優勝達成の快挙に加え、藤井竜王には羽生善治九段(52)が保持する最年少優勝21歳2カ月の記録更新もかかっている。
これまでの対戦成績は、藤井竜王の5勝、斎藤八段の3勝。早指し棋戦での対戦は本局が初めてとあり、両者が本局にどのような作戦を用意しているか、大きな注目が集まっている。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)